ガリバー旅行記

2010年作品
監督 ロブ・レターマン 出演 ジャック・ブラックアマンダ・ピート
(あらすじ)
ニューヨークの新聞社に勤めるガリバー(ジャック・ブラック)は、うだつの上がらない万年メール係。口は達者だが、失敗を恐れるあまり行動が伴わず、片思いの相手であるダーシー(アマンダ・ピート)をデートに誘うことも出来ない。そんなある日、彼女に頼まれて取材に訪れたバミューダ・トライアングルで突然の嵐に巻き込まれてしまい、気が付くとそこは小人たちの住むリリパット王国だった….


ジャック・ブラック主演によるコメディ作品を妻と一緒に鑑賞。

原案はジョナサン・スウィフトの古典であるが、まあ、ジャック・ブラックの主演ということになればタダで済む筈はなく、最初から最後まで彼らしい悪ノリが満載の作品になっている。しかも、途中から巨大(?)ロボットが登場するなど、ストーリー的にもスウィフトの原作から相当かけ離れた内容になっている。

しかし、その一方では“ファミリー向け作品”という点を強く意識しているらしく、これまでの彼の出演作品に比べると、かなりおとなし目な印象。「スター・ウォーズ/帝国の逆襲(1980年)」や「タイタニック(1997年)」のパロディなんかも登場するのだが、「僕らのミライへ逆回転(2008年)」における破壊力には遠く及ばない。

お得意のシモネタに関しても、ガリバーが火事をオシッコで消すところくらいしか使われておらず、子どもと一緒に見て困るようなシーンは皆無。まあ、その分、大人が楽しむ作品としては相当に物足りないのだが、本作はそもそもそういった目的の作品としては作られていないのだろう。

また、個人的に一番不満だったのは、“気弱な主人公がリリパット王国での経験を通して自信を回復し、現実社会でも幸せになる”という陳腐なテーマが露骨に描かれているところであり、また、ガリバーに対して貴重なアドバイスをしてくれていたメール係の同僚をバカにしたようなラストにも感心出来なかった。

ということで、作中、リリパット王国のロケ地として、この夏の英国旅行で訪れたグリニッジの旧王立海軍大学が登場していた。緑の芝生が美しい外観だけでなく、ペインテッド・ホールの内部でも撮影が行われており、見ていてちょっと懐かしい気分になりました。