いつか晴れた日に

1995年作品
監督 アン・リー 出演 エマ・トンプソンケイト・ウィンスレット
(あらすじ)
19世紀初頭の英国。ダッシュウッド家の当主ヘンリーの死去により、屋敷を含めた全財産を先妻の息子ジョンが相続することになってしまう。残されたヘンリーの妻と三人の姉妹、エリノア(エマ・トンプソン)、マリアンヌ(ケイト・ウィンスレット)、マーガレットは、屋敷に乗り込んできたジョンとその妻とそりが合わず、止む無く知り合いの伝を頼って田舎のコテージへと引っ越すことになってしまう….


ジェーン・オースティンの「分別と多感」の映画化。

不勉強にして原作は読んでいないんだけど、イギリス特有のしっとりとした美しい自然をバックに繰り広げられるエリノア(=理知的+消極的)とマリアンヌ(=感情的+積極的)という対照的な性格を持った姉妹の恋物語はとても面白く、見ていて最後まで飽きさせない。

惚れた男が彼女等から離れて行ってしまう理由を“金”や“昔の約束”といった外的要因のせいにしてしまうあたり、いかにも女性受けしそうな筋立てではあるが、それにもかかわらず、本作の絵に描いたようなハッピーエンドを男の俺でも素直に受け入れられてしまうのは、やはり原作の良さによるものなんだろうと思う。

主演のエマ・トンプソンは、そんな原作の魅力を余すところ無く脚本に取り入れ、本作でアカデミー賞脚本賞を取ってしまったという才女な訳であるが、肝心の演技の方も十分に素晴らしく、まあ、役柄からするとちょっと歳を食い過ぎているような気もしないではないが、相手役のヒュー・グラントの助けもあって、なかなかの好演となっている。

また、「タイタニック(1997年)」のローズ役でブレイクする前のケイト・ウィンスレットは、こっちの方がずっとハマリ役と思える程に魅力的であり、冷酷な役柄が多いアラン・リックマンが、彼女の扮するマリアンヌに対して一途に献身的な愛を捧げる中年男役を健気に演じているのもとても面白い。

ということで、エマ・トンプソン(=トレローニー先生)やアラン・リックマン(=スネイプ先生)以外にも、ジェマ・ジョーンズ(=校医のマダム・ポンフリー)、ロバート・ハーディ(=魔法省大臣のコーネリウス・ファッジ)、イメルダ・スタウントン(=アンブリッジ先生)といったハリー・ポッター・シリーズの出演者が顔を揃えており、彼等の演技を眺めているだけでも十分楽しめました。