センター・オブ・ジ・アース 2D

娘のリクエストで「センター・オブ・ジ・アース」を家族で見てきた。

本作は、“最新の立体デジタル撮影装置フュージョン・カメラ・システムを使用した初の長編大作”ということで、例の3Dメガネをかけて鑑賞すると映像が立体的に見えるという作品なのだが、残念ながら近場の映画館ではその「3D版」は上映しておらず、止む無く「2D版」の方を鑑賞。

ジュール・ヴェルヌの「地底探検」の映画化としては、ジェームズ・メイソンが主演した「地底探検(1959年)」が有名であり、実はこれは俺のお気に入りの作品で、以前、娘を誘って一緒にDVDで見たこともある。それが(2D版とはいえ)最新のSFXを駆使してどのような作品に生まれ変わるのか、俺もちょっと期待していたのだが・・・

まあ、結論から言うと、本作はヴェルヌの「地底探検」の映画化ではなく、そこで描かれていた地底世界を本作の主人公達が再訪するっていう内容の作品だった。したがって、巨大なキノコや地底の海、恐竜なんかが登場するイベントは一緒なんだけど、原作にあったサスペンス的要素は一切省かれてしまっている。

大体、主要な登場人物は3人だけという何のヒネリもないストーリーは、3Dを意識した演出の邪魔にならないようにっていうことだけに専念して書かれているような印象であり、おそらく“ハラハラ・ドキドキ感は全部映像の方にお任せ”っていうことなんだろう。原作のように、ご都合主義的な展開に対して敢えて“科学的な”理屈付けを試みるという姿勢(=すなわちSF)も見られなかったしね。

ということで、本作はディズニーランドの「ミクロアドベンチャー!」のように3D版で鑑賞することを前提とした作られた作品であり、2D版で見たのではその魅力の半分も味わえなかったのかも知れない。それと、元モー娘。矢口真里がヒロインの吹替えを担当していたんだけど、彼女の声は喧しいだけで、残念ながら吹替えには向いていないと思いました。