ミス・ポター

久々に家族で映画でもという話になったのだが、娘に鑑賞希望作品の有無を確認したところ“無い”との冷たい御返事。やむを得ず(?)、俺の趣味でレネー・ゼルウィガーを見に行くことになった。

内容は、ピーターラビットの作者であるビアトリクス・ポターの伝記映画。オールドミス一歩手前の彼女が絵本作家として認められる過程と、その支えとなってくれた出版社のノーマン・ウォーンとの儚い恋愛模様が描かれている。まあ、一点を除き、波瀾万丈というのとは程遠い落ち着いた生活を送ったらしい人の伝記映画なので、物語の起伏に乏しくちょっと物足りないと言えなくもないが全体の印象は悪くない。

主演のレネー・ゼルウィガーユアン・マクレガー、そしてビアトリクスの友人役のエミリー・ワトソンは、いずれも期待どおりの好演だし、ベアトリクスの回想シーンに出てくる子役たちもとても可愛らしい。そういえば、あの愉快な弟のその後の消息がセリフの中でしか語られなかったのはちょっと不満かな。

そして、当然のことながら湖水地方の美しい風景がこの作品のもう一つの魅力。だいたい、この手の作品は俺が一人でDVDで見るっていうのがこれまでの通常パターンだった訳だが、この美しい風景を映画館の大画面で見られたのはとてもラッキーだった。

TVのCMではミス・ポターの描いたピーターラビットが動き出すといったシーンが使われていたので、こちらにもちょっと期待していたんだけど、実際は全体のアクセントといった程度の使われ方だった。悲嘆にくれる主人公を絵本のキャラクターたちが慰めるといった展開も考えられるけど、まあ、それでは別の作品になってしまうということなんだろう。

ということで、字幕での鑑賞だったにもかかわらず娘の感想も良好。これからはこういった作品にも付き合ってもらえそうです。