サイドウェイ

2004年作品
監督 アレクサンダー・ペイン 出演 ポール・ジアマッティトーマス・ヘイデン・チャーチ
(あらすじ)
中学校教師のマイルス(ポール・ジアマッティ)は、小説家になる夢を捨てきれないでいるバツイチ男。学生時代からの友人であるジャック(トーマス・ヘイデン・チャーチ)がようやく結婚することになり、独身最後の一週間を男2人で楽しもうとワインとゴルフ三昧の旅に出る。しかし、ジャックの狙いはこの機会にナンパしまくることであり、さっそくステファニーとマヤの二人をデートに誘う….


ポール・ジアマッティが「シンデレラマン(2005年)」の前年に主演した作品。

ジャックのお目当てはステファニーの方なので、マイルスはマヤの相手をすることになるのだが、生来内気なのと前妻のヴィクトリアに未練があるため、なかなか積極的な行動に出ることが出来ない。その後、前妻が別の男と再婚することをジャックから知らされ、ようやくマヤとベッドを共にするものの、今度はジャックに婚約者がいることが彼女らにバレてしまい、マイルスとマヤの関係もあえなく破綻してしまう。

正直、随分と男性側に都合の良いストーリーであり、落ち目とはいえTV俳優のジャックが女性にモテモテなのはまだ良いとしても、冴えない中年男のマイルスにマヤが好意を抱く理由がよく分からない。しかし、まあ、この点に目を瞑れば、アカデミー賞の脚色賞に輝いたというストーリーはなかなか良く出来ており、マイルスとジャックの珍道中を笑いどころも豊富に描いている。

登場する男女4人はいずれも中年と呼んでいい年頃であり、それ程の美男美女でもないのだが、そんな地味〜な雰囲気を華やかに引き立ててくれるのが、ジャックを除く3人が語るワインへの熱い情熱。画面にも、彼等が美味しそうにワインを飲み干すシーンが度々映し出されるので、下戸の俺もつい飲んでみたくなってしまった。

主演のポール・ジアマッティは、レネー・ゼルウィガー目当てで見た「シンデレラマン」で特に印象に残った俳優さん。その後、なかなかお目にかかる機会が無かったのだが、今年公開予定の「アメイジングスパイダーマン2(2014年)」に出演しているそうであり、そこでどんな役を演じているのかとても楽しみである。

ということで、アレクサンダー・ペインの監督作品を拝見するのも、「ファミリー・ツリー(2011年)」に続いてこれが2作目。新作の「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(2013年)」の評判も悪くないようなので、機会があればそちらも見てみようと思います。