RENT

2006年作品
監督 クリス・コロンバス 出演 アンソニー・ラップ、アダム・パスカル
(あらすじ)
ニューヨークのイーストヴィレッジ。映像作家のマーク(アンソニー・ラップ)とロック・ミュージシャンのロジャー(アダム・パスカル)はルームメイト。彼等の回りにはゲイやレズビアン、ヤク中等々の仲間が集まってくるが、ロジャーやその恋人のようなHIV感染者も少なくなかった….


有名なブロードウェイ・ミュージカルの映画化。

一言で言うと“20世紀末のイーストヴィレッジに住む若者たちの生き方を描いたロック・ミュージカル”ってことなんだろうけど、場所柄のせいか芸術家を目指す若者が多く、性的志向も多種多様。一般社会ではマイノリティと呼ばれる人たちも、ここでは比較的自由に暮らしている。しかし、HIV感染の問題は深刻であり、マークたちの仲間の中にも多くの感染者が存在し、中には発症して死亡する者もいるっていう状態。

まあ、このへんをテーマに採用したことがこの作品の特徴なのかもしれないが、正直なところ映画としては同じロック・ミュージカルの「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(2001年)」には遠く及ばないね。できるだけ舞台に忠実に映画化しようとする姿勢は理解できないではないが、生の舞台の迫力をそのまま映像で伝えるってのは結構難しく、それを補う意味でももっと映画的な表現を大胆に採用すべきだったと思う。

それと、これは個人的な趣味の問題なのかもしれないが、「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」に比較して魅力的な楽曲が少ないというのも大きな欠点。映画を見ているときは良いんだけど、見終わってから口ずさめるような曲がちょっと見当たらない。

ということで、俺は基本的に音楽をテーマにした映画には甘いんだけど、これはいま一つの出来だった。結構期待していたんだが、それだけに残念です。