SINGIN' IN THE RAIN 〜雨に唄えば〜

今日は、東急シアターオーブで上演中の「SINGIN' IN THE RAIN 〜雨に唄えば〜」を妻&娘と一緒に見に行ってきた。

ジーン・ケリー主演のMGM映画は、家族全員、ビデオやDVDで何度となく拝見しているため、事前学習は不要。映画版では少々違和感のある“ブロードウェイ・メロディー”のパートをどのように処理しているのかがちょっと気掛かりだったが、ロンドンのウエスト・エンドでも好評を博したそうなので、まあ、大丈夫だろう。

さて、渋谷ヒカリエの5階で娘と落ち合った後に6階の中華レストランで昼食を済ませ、11階のシアターオーブへ向かう。座席は前から7列目だったが、幸運にも前の座席が空席のままだったので視界は極めて良好であり、期待に胸を膨らませて開演の時を待っていると、映画と同様、ハリウッドのチャイニーズ・シアター前のシーンから舞台が始まる。

舞台上のスクリーンに白黒映画の映像を映し出す等、ストーリーは映画版にかなり忠実であるが、場面転換はとてもスピーディーで無駄が無く、アッと言う間に舞台上の世界に引き込まれてしまう。“Good Morning”が歌われる場面では早くもあの街灯が登場しており、それを見ただけで思わず目頭が熱くなる。

そこからドシャ降りの中での“Singin' in the Rain”で前半の幕が閉じるまでの時間はまさに至福の時であり、「ザッツ・エンタテインメント(1974年)」でミュージカルの楽しさに目覚めてから早40年、俺の見たかったのはこれなんだなあと思いながら舞台を見ていた。その後、キャシー役の女優さんが体調不良のため交替になるというアクシデントがあったが、特に支障にはならず、撮影OKの楽しいカーテンコールで無事幕を閉じる。

まあ、ロンドン製ということで、ブロードウェイ特有の“汗臭さ”のようなものは感じられなかったが、ジーン・ケリーよりもスタイルの良いアダム・クーパー以下、とても品の良い“雨に唄えば”に仕上げられており、全く問題はない。ギリギリのところで可愛らしさの範疇に踏みとどまってくれたリナ・ラモントは絶品だったし、“ブロードウェイ・メロディー”も無難に取り入れられていたと思う。

ということで、ミュージカルの興奮も覚めやらぬ中、森アーツセンターギャラリーで開催中の「ティム・バートンの世界」展に立ち寄ったのだが、正直、俺の頭の中は“雨に唄えば”でまだ一杯であり、ティム・バートンを受け入れる余裕はほとんど無い状態。とても混雑していたこともあり、ざっと一回りしただけで退散することになってしまいました。