ブロードウェイ・ミュージカル「ドリームガールズ」

今日は、妻&娘と一緒にシアターオーブで“ブロードウェイ・ミュージカル「ドリームガールズ」”を見てきた。

この作品に関しては、ビヨンセが主演を務めた映画版「ドリームガールズ(2006年)」で十分満足していたため、正直、それほどの興味は無かったのだが、3月の「アラジン」以降、しばらくミュージカルの鑑賞予定が入っていない事態に不満を抱いた(?)妻が自らチケットを手配。まあ、そうと決まればこちらに異論があるはずも無く、事前にDVDで映画版を復習する等してこの日を楽しみに待っていた。

さて、開演は午後6時からということで、それまでの時間を利用して久しぶりの東京見物。最初の目的地は東京ドームシティにある宇宙ミュージアム「TeNQ」であり、2年前にオープンしたときから行ってみたいと思っていたのだが、当時は大人気のために予約を取るのがとても難しかった。

しかし、(予約サイトの状況からある程度予想はしていたものの)午前10時過ぎに訪れたTeNQは人影もまばら。まあ、空いているのはありがたいのだが、最初のプロジェクションマッピングにしても、次の“覗き込みスタイル”のシアター宙にしても、正直、大人の知的好奇心を刺激するような工夫は見られず、イメージ映像としても中途半端だった。

そんな訳で予定より早めにTeNQを後にし、近場の「Barco」というお店で昼食を取ってから、国立新美術館で開催中の「オルセー美術館オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展」へ。人気のルノワールではあるが、4月末からの4ヶ月間に及ぶロングランということで混雑度合いはさほどでもない。

目玉となる「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」や「浴女たち」等々、これまで本や映像で何度となく目にしてきた作品も多いが、やはり“実物”の持つ迫力は格別であり、見ているだけでとても幸せな気持ちにしてくれる。それにしても、これだけ多くの作品を長期間貸し出せるなんて、オルセー美術館にはいったいどれくらいルノワール作品があるんだろう。

次は、娘のリクエストにより原宿の「PABLO」というお店でチーズケーキを食べる予定だったが、店の前には長い行列が出来ており、敢えなく敗退。その先の「彩茶房」でタピオカミルクティーを飲みながら台湾風スイーツをいただき、空いていたので「ギャレットポップコーン」でお土産を購入してからシアターオーブへ向かう。

さて、いよいよお待ちかねの「ドリームガールズ」であるが、座席は一階席の9列目やや左寄りということでまずまずの好位置。映画版同様、ライブハウスでのオーディションの場面から始まるのだが、映画と違い、シアターオーブの観客は大人しいのでいまひとつ盛り上がりに欠けるというやや不安な立ち上がり。

しかし、テンポ良く進むストーリーに加え、カーティス、ジミーといった男性陣の頑張りもあって次第に観客の興奮度も増して行き、ドリーメッツの3人娘が再びストーリーの中心に戻ったときにはすっかり舞台に釘付け。そして第1幕の締めとなるエフィの“And I am telling you I'm not going”で完全にノックアウトされてしまう!

正直、エフィ役のモヤ・アンジェラの歌唱力があまりにも図抜けているため、第2幕でディーナの歌う“Listen”が色褪せてしまうのではないかと、休憩時間中、娘と一緒に心配していたのだが、幸いそんな不安は杞憂に過ぎず、映画版とは異なる場面においてエフィとの掛け合いで歌われるその曲は最高に感動的だった。

ということで、“映画版で十分”という俺の判断は完全な間違いであり、スピーディーな演出やストーリーのまとまりの良さからしても舞台版の方が圧倒的に素晴らしい。唯一、映画版におけるビヨンセの“美しさ”には捨てがたい魅力があるものの、“Listen”を彼女のソロナンバーにしてしまったのはやはり大きな間違いだったと思います。