リトル・ダンサー

2000年作品
監督 スティーヴン・ダルドリー 出演 ジェイミー・ベルジュリー・ウォルターズ
(あらすじ)
1984年、イギリス北部の炭坑町エヴァリントン。11歳のビリー・エリオットジェイミー・ベル)は炭坑労働者の父と兄、それに少々ボケが始まった祖母との4人暮らし。町は長期化しつつある炭鉱ストライキの影響で日に日に不穏な空気に包まれていくが、そんな中、踊ることが大好きなビリーはボクシングの練習中にたまたま目にしたバレエのレッスンに興味を惹かれる…


バレエダンサーのアダム・クーパーが特別出演していることでも話題になった英国映画。

妻の職場にはミュージカル関係の作品に興味を持つ同僚がいるらしく、先日、「ラ・ラ・ランド(2016年)」のサントラCDをその人に貸してあげたところ、そのお礼(?)に彼女が大好きだという本作のDVDを貸してくれたとのこと。俺は公開当時に一度見ているが、まあ、折角なので一緒に鑑賞することにした。

さて、先進国でありながら同時に階級社会でもあるという英国にとってはお馴染みのテーマなのだが、炭鉱町の労働者階級に生まれたビリー少年がダンスの才能を武器にして新たな人生を切り開いていくという感動ドラマ。正直、最初に見たときにはいろんなことが鼻について素直に受け止められなかった記憶があるが、二度目ということで今回は割と抵抗なく楽しむことが出来た。

一番違和感が強かったのはビリー少年の飛んだり跳ねたりするだけの荒削りなダンスだったのだが、まあ、考えてみれば彼はあくまでダイヤの原石だった訳であり、荒削りなのはむしろ当然のこと。最初に彼に目を付けたウィルキンソン夫人(ジュリー・ウォルターズ)も、テクニック面ではなく、跳躍力や体幹の強さといったところに彼の才能を見出したのだろう。

また、最初に見たときには“フ〜ン”というくらいの感想しかなかったアダム・クーパーも、「SINGIN' IN THE RAIN 〜雨に唄えば〜」のステージで実際の彼のダンスに接した後となっては感慨も一入。もっとダンスシーンを見せて欲しいという思いはあるが、まあ、あそこで止めておかないとまた別のお話になってしまうんだろうね。

ということで、近々公演が始まる「ビリー・エリオット」については散々迷った挙句に見に行くのをパスしてしまったのだが、おそらく非現実感の強いミュージカル版のほうがビリー少年のダンスなんかも洗練されているんじゃなかろうか。ちょっと調べてみたところ、2014年にロンドンで行われた10周年記念公演がDVD化されているようであり、とりあえずそちらを見てみることに致しましょう。