勝利の朝

1933年作品
監督 ローウェル・シャーマン 出演 キャサリン・ヘップバーンダグラス・フェアバンクスJr
(あらすじ)
田舎からニューヨークに出てきた舞台女優の卵エヴァ・ラヴレース(キャサリン・ヘップバーン)は、有名な興行師イーストンの事務所に自分の売込みに行くが、そこで劇作家のジョゼフ・シェリダン(ダグラス・フェアバンクスJr)と知り合いになる。彼女のデビュー後の評判は捗々しくなかったが、ある日、ジョゼフの新作「金の枝」の主演を務めるチャンスが巡ってくる….


キャサリン・ヘップバーンが「若草物語(1933年)」の直前に出演した作品で、彼女はこの作品で見事、最初のアカデミー賞主演女優賞を獲得している。

ということで、相当期待して見てみた訳だが、残念ながら完全な期待ハズレ。だいたい、エヴァが舞台デビューで失敗するところとか、酔ったはずみでイーストンと一夜を共にしてしまうところとか、本来ならこの作品のクライマックスとなるべき彼女が「金の枝」の代役として大成功するところといった重要なシーンがみーんな省略されており、後からセリフで説明されるだけっていうのは、一体どういうことか。

また、このエヴァ・ラヴレースというキャラクター自体にもあまり魅力はないし、よくもこんな役でアカデミー賞が取れたもんだと、正直そう思う。ラストの、独りよがりとしか言いようのない、何だか訳のわからない感動的なエンディングも、見ていてとっても恥ずかしい。

それと、いつもの愚痴で申し訳ないが、当時26歳のヘップバーン、華がなさすぎ。昔、“同じヘップバーンでも、オードリーの魅力は若い頃のキャサリンの圧倒的な迫力には遠く及ばない”みたいな年寄りの評論家の文章を読んだことがあるが、それが嘘っぱちだということが良ーく解りました。おまけに、この邦題も全くの的ハズレ。

ちなみち、イーストンに扮するアドルフ・マンジュウって役者さんはどっかで見たことあるなーって思ったら、「オーケストラの少女(1937年)」でディアナ・ダービンの父親役をやっていた人でした。いや、だからってどーっていうことも無いんだけどね。