1946年作品
監督 ロバート・シオドマク 出演 ドロシー・マクガイア、ジョージ・ブレント
(あらすじ)
過去に起きた事故のショックが原因で口がきけなくなってしまったヘレン(ドロシー・マクガイア)は、ニュー・イングランドの郊外にあるウォーレン教授(ジョージ・ブレント)の屋敷で住込みの使用人として働いていた。その頃、ニュー・イングランドで障害者を狙った連続殺人事件が発生し、警察からウォーレン教授に対して“ヘレンも犯人に狙われる可能性がある”という連絡が入った….
今では珍しくもないが“性格異常者による殺人”がテーマ。
犯人は最後まで伏せられているのだが、探偵役が出てこないこともあって謎解きの要素はほとんどない。また、古い洋館、らせん階段、ローソクとゴシック・ホラー的な道具立ては完全に揃っているにもかかわらず、おどろおどろしい雰囲気は微塵もない。
あまりこの手の作品は見ないので良くわからないけど、もしかしたら“ショッカーもの”のハシリ的な作品なのかもしれない。犯人の目玉の大写しといった衝撃的(?)な映像もあるが、流石に50年以上前のレベルということで、今の若い人には通用しないんじゃないかなあ。チキンな俺もあんまり怖くなかった。
出演者のほうも全体的に地味目。ヒロインのドロシー・マクガイアは、「紳士協定(1947年)」でグレゴリー・ペックの恋人役をやっていた女優さん。美人というよりは庶民的な顔立ちの人なんだけど、ちょっと雰囲気が固くてなんだか中途半端な印象。むしろ、ウォーレン教授の秘書役で出ているのロンダ・フレミングという女優さんのほうがこういった作品のヒロインとしては適役だったのではないか。
それと、ヘレンの先輩格の家政婦役でエルザ・ランチェスターが出ていた。ヘレンに危機が迫ったとき、酔っ払っていて全然役に立たないというあたりはいかにも彼女らしく、好い味を出していました。