ウィズ

1978年作品
監督 シドニー・ルメット 出演 ダイアナ・ロスマイケル・ジャクソン
(あらすじ)
ニューヨークのハーレムに住んでいるドロシー(ダイアナ・ロス)は、今年24歳になる内気な幼稚園教師。ある雪の降る夜、飼い犬のトトの後を追いかけて街に飛び出した彼女は、突如現れた雪の竜巻に巻き込まれて見知らぬ土地へと連れ去られてしまう。そこは大魔法使いのウィズが支配する魔法の国であり、彼の魔法で家に帰してもらうため、ドロシーは黄色いレンガ道をたどる旅に出掛ける….


妻と一緒に見るミュージカル映画の第2弾。帰省中の娘にもご参加いただいた。

ジュディ・ガーランドの「オズの魔法使い(1939年)」は俺の大好きな作品の一つであり、そのオール黒人キャストによるリメイクである本作にも公開当時から興味はあったのだが、公開当時34歳のダイアナ・ロスがドロシーを演じることによる違和感に恐れをなして、今日まで未見のまま。しかし、お馴染みのストーリーであれば妻にも取っ付き易いだろうということで、本シリーズの第2弾に採用させていただいた次第。

さて、大まかなストーリーは「オズの魔法使い」と同じであるが、ベースになっているのがブロードウェイ・ミュージカルということで、表現方法はかなり大人向けになっている。色彩豊かな点はオリジナルどおりであるものの、夜間や屋内のシーンが多いため、全体的に薄暗いイメージが強く、あまり華やかさは感じられない。

その上、主人公の性格設定が“内気”ということになっているため、ダイアナ・ロスの歌や演技からはスプリームス時代のようなパワーが感じられず、期待した“お祭り騒ぎ”的な雰囲気からは程遠い状態。その後、カカシ役のマイケル・ジャクソンが登場し、例の“Ease on Down the Road”をダイアナ・ロスとデュエットするあたりから若干の盛り上がりを見せるのだが、残念ながらそれも長くは続かない。

その後も、地下鉄構内での追いかけっこ等、面白いシーンはいくつか登場するものの、ウィズに扮した期待のリチャード・プライヤーにはほとんど見せ場が用意されておらず、大した盛り上がりもないままに映画は終わってしまう。まあ、さすがの名匠シドニー・ルメットも、もう少し仕事を選ぶべきだったのだろう。

ということで、「レ・ミゼラブル(2012年)」との落差が大き過ぎたこともあって、家族内での評判も散々であり、シリーズ第2弾にして早くも前途多難な様相。次の作品の選択には慎重に臨みたいと思います。