コーラスライン

1985年作品
監督 リチャード・アッテンボロー 出演 マイケル・ダグラス、アリソン・リード
(あらすじ)
ブロードウェイの売れっ子演出家であるザック(マイケル・ダグラス)は、新しいショーに使うコーラスを選ぶためのオーディションを行う。仕事を得るために集まってきた大勢の男女の中から選ばれた16名にザックの昔の恋人であるキャシー(アリソン・リード)を加えた17名が最終選考に臨むことになるが、そんな彼等に対し、ザックは“ありのままの君たちを知りたい”と様々な質問を投げかける….


妻と一緒に見るミュージカル映画の第3弾。前回の「ウィズ(1978年)」の評判が散々だったので、今回は手堅いところを選んでみた。

俺が本作を見るのはこれで4、5回目。はじめて見たときは、最も有名な“ワン”におけるきらびやかで能天気なイメージと、本作の内容の大宗を占める若いダンサーたちの苦悩とのギャップが大きすぎて、素直に楽しめなかったのだが、まあ、最初からそうと思って見てみればさすがに巧く出来ている。

オーソドックスなものからロック調のものまでバラエティに富んだ音楽も素晴らしく、それぞれの親しみやすいメロディは一度聴いたら忘れられない。作曲を手がけたマーヴィン・ハムリッシュは、このミュージカルが初演された1975年当時、「追憶(1973年)」や「スティング(1973年)」といった作品の映画音楽を担当していた訳であり、彼にとっても最も脂が乗っていた時期の作品なのだろう。

ちょっと気になるのは、最終選考に残った17名が必ずしも平等に扱われていないところであり、まあ、最初から特別扱いのキャシーは仕方ないにしろ、プエルトリコ人のダイアナや整形美人のバレリーみたいに一人で一曲歌わせてもらえる者もいれば、シーラ、ビビ&マギーは3人で一曲。コニーやクリスティンに歌での出番はなく、ジュディにいたっては、正直、それ誰?っていう感じ。

確かに17人全員に等しく見せ場を作っていたら、上映時間が長くなり過ぎてしまうのだろうが、いやしくも“オーディション”をテーマにしている以上、観客に“不公平”という印象を与えるのは出来るだけ避けるべきだったと思う。

ということで、ザックとキャシーの回想シーン等、映画オリジナルと思われるシーンもいくつか登場するのだが、これらは実際の舞台ではどのように扱われているのだろう。妻の感想もまずまずだったようなので、機会があれば是非生で確認してみたいと思います。