007 スカイフォール

2012年作品
監督 サム・メンデス 出演 ダニエル・クレイグハビエル・バルデム
(あらすじ)
NATOが世界中のテロ集団に潜入させているスパイのデータが入ったハードディスクが強奪され、ジェームズ・ボンドダニエル・クレイグ)は、新人エージェントのイヴとともに犯人を追跡。ようやく追い詰めた犯人と列車の屋上で格闘になるが、MI6のボスであるMの命令で犯人を狙って放たれたイヴの弾丸は、運悪くボンドに命中してしまい、彼は列車から谷底へ落ちていった….


帰省中の娘がレンタルしてきたDVDをこっそり(?)鑑賞。

本作は、007シリーズの50周年記念事業の一環として製作されたものらしいのだが、俺はこのシリーズの熱心なファンとはいえず、もっぱら子どもの頃にTVで放映されるのを寝転んで眺めていたくらい。おそらく映画館に足を運んだことは一度も無い筈であり、ビデオかDVDで見直したのも「007 ロシアより愛をこめて(1963年)」だけだったと思う。

そんな訳で、本作も“面白くなかったら即終了”くらいの軽〜い気持ちで見始めたのだが、冒頭の手に汗握るアクションシーンの連続に目が離せなくなってしまい、結局、最後まで拝見させて頂くことになった。

まあ、ダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンドは無口で真面目であり、ボンドガールとの絡みもいたって淡白。その上、珍妙な秘密兵器も(ほとんど!)登場しないということで、“こんなの007シリーズじゃない”という批判も十分成り立つと思うのだが、作品の面白さはこれまでの凡作の数々を大きく上回っており、ショーン・コネリーが作り上げたボンドのイメージを追い続けるのを止めたのは正しい選択だったと認めざるを得ない。

その一方で、終盤では懐かしのボンドカーを登場させてくれるなど、サム・メンデスの演出は硬軟自在。残念ながら、冒頭のアイデア満載の追いかけっこを超えるようなアクションシーンは見られなかったが、若々しいQやマニーペニーだけでなく、ラストでは新しいMまで登場し、ボンドを取り巻く新体制はこれで準備OK。是非とも、次回作もサム・メンデスに監督をお願いしたい。

ということで、今後の007シリーズを考える上での最大の不安は、今年45歳になるダニエル・クレイグの年齢。本作のヒットにより、シリーズが続くことはまず間違いないと思うが、彼が登板出来るのもせいぜいあと1、2作であり、魅力的なボンド役探しはこのシリーズの永遠のテーマなのでしょう。