俺たちは天使じゃない

1955年作品
監督 マイケル・カーティス 出演 ハンフリー・ボガートアルド・レイ
(あらすじ)
悪魔島の監獄を抜け出したジョゼフ(ハンフリー・ボガート)、アルバートアルド・レイ)、ジュールス(ピーター・ユスティノフ)の三人組は、逃走用の衣服等を盗むため、屋根の修理を口実に町の雑貨店に入り込む。しかし、たまたまその店の窮状を知った彼等は、人の良い店主一家を冷酷な店のオーナーから救うため一肌脱ぐことに….


一応、クリスマス関係ということで。

相当昔にTVで一度観た記憶がある。だいたい俺が初めてハンフリー・ボガートを意識したのは、これか「サハラ戦車隊(1943年)」でであり、後日、大学に入って「カサブランカ(1942年)」を観るまで、俺にとってボギーはちょっとシニカルな演技派俳優であった。

内容を今でも憶えているくらいだから、当時もそれなりに気に入ったのだと思うが、何ともマッタリ感に満ち溢れた作品であり、主演の3人がとても楽々とお人好しの脱獄囚役を演じていて、観ているこっちまで楽しくなってくる。ラストのお遊びもこの作品にピッタリ。

まあ、邪魔な人間が次々と死んでいくというストーリーは御都合主義と言われればそのとおりであり、ボギーも同じ年に公開されたワイラーの「必死の逃亡者(1955年)」とは全く違ったゆる〜い演技。そんなことで、おそらく最近の映画ファンには受け入れられないだろうが、俺にとってはボギーのあんな屈託のない笑顔(「キー・ラーゴ(1948年)」のラストの張り付いたような笑顔とは大違い!)を見られるだけでも十分価値がある作品です。