ジーグフェルド・フォリーズ

1946年作品
監督 ヴィンセント・ミネリ 出演 ウィリアム・パウエルフレッド・アステア
(あらすじ)
天国で悠々自適の生活を送るジーグフェルド(ウィリアム・パウエル)。今の暮らしに何の不満も無いが、ふと、自分が育てたジーグフェルド・フォリーズの舞台をもう一度見てみたいと夢想する。“まず、旧友のフレッド・アステアに司会を頼んで”…..


天才的舞台製作者F・ジーグフェルドが考案した“ジーグフェルド・フォリーズ”を再現したら….という設定によるMGMスターによるオムニバス映画。

元祖「ザッツ・エンタテインメント」みたいな作品で、アステア以外にもエスター・ウィリアムズジーン・ケリー、リナ・ホーン、ジュディ・ガーランドキャサリン・グレイソン等々の歌や踊りが見られる。最初のほうにルシル・ボールが出て来るのだが、あの「ルーシー・ショー」のオバさんが美人を気取っている様子はちょっと愉快。

また、ファニー・ブライスやレッド・スケルトン等によるコント作品もいくつか見られるのだが、中ではキャプラ作品でおなじみのエドワード・アーノルドが自信家の弁護士役を演じる「2ドル払え」がとても面白かった。

エスター・ウィリアムズの水中バレエは今まで見た中で一番キレイだったし、アステアとジーン・ケリーが一緒に踊る場面もしっかり見られるなど、個々のシーンはとても素晴らしいのだが、「ザッツ・エンタテインメント」が持っていたような“テーマ性”が希薄なため、作品としての統一感に欠けるのが残念なところ。せっかくジーグフェルドを出して来たんだから、もっと彼の存在を活用すれば良いのにね。

それと、映画の冒頭で見られる人形アニメ(?)はちょっと他では見たことのないような“質感”があり、まったく古さを感じさせない見事な出来であった。あれはどうやって撮っているんだろう。