何という行き方!

1964年作品
監督 J.リー・トンプソン 出演 シャーリー・マクレーンディーン・マーティン
(あらすじ)
大金持の未亡人であるルイザ(シャーリー・マクレーン)は、莫大な財産を政府に寄付しようとするが、誰にもまともに相手にしてもらえず、正気を疑われて精神分析医を紹介されてしまう始末。そこの寝椅子に横になった彼女は、質素で愛に包まれた結婚生活を夢見ていた自分の若き日の想い出話を涙ながらに語り始めるのであったが….


シャーリー・マクレーン主演のコメディ映画。

最初、彼女は、町一番の大金持であるレナード(ディーン・マーティン)のプロポーズを断り、ボロボロの雑貨屋を営みながら自由気ままな生活を送っていたエドガーと結婚することにより、夢に見ていた質素な生活を手に入れる。しかし、悔し紛れに二人の新居を訪れたレナードの嫌味に発奮したエドガーは、その日を境に馬車馬のように働き始め、事業は大成功を収めるものの、無理がたたって急死。彼女の元には莫大な遺産だけが残される。

その後も3人の男性と結婚するのだが、いつもこれと同じパターンで全員が若死にしてしまい、彼女は自分が魔女なのではないかと不安になるという、まあ、他愛のないコメディ映画なのだが、この3人の結婚相手に扮するのが、ポール・ニューマンロバート・ミッチャム、それにジーン・ケリーという超豪華メンバー。

彼等を相手に、公開当時30歳のシャーリー・マクレーンがセクシーな肢体をサービス満点に披露してくれるのだが、J.リー・トンプソンによる演出の方もなかなか凝っており、4人の夫との幸せな結婚生活を、それぞれサイレント映画、フランス映画、ハリウッド映画、ミュージカル映画のパロディ風に描いたりしている。

そのミュージカル映画のパロディ部分では、ジーン・ケリー扮するピンキーが床にまき散らした塩の上でタップダンスを踊るというシーンが登場するのだが、これと同じアイデアフレッド・アステアが「トップ・ハット(1935年)」の砂の上でのダンスシーンでも採用していた。

ということで、そのジーン・ケリーを相手にシャーリー・マクレーンも素敵なダンスを披露してくれるのだが、ちゃんと足は頭の上まで上がるし、タップダンスも達者なもの。ブロードウェイのコーラス・ガールとしてデビューしたという彼女の経歴は、決して伊達ではありませんでした。