ステージ・ドア

1937年作品
監督 グレゴリー・ラ・カーヴァ 出演 キャサリン・ヘプバーンジンジャー・ロジャース
(あらすじ)
将来を夢見る女優の卵たちが共同生活を送っている“フットライト・クラブ”。毒舌家のジーン(ジンジャー・ロジャース)が反りの合わないルームメイトと言い争いをしているところへ、地方の資産家の娘テリー・ランダル(キャサリン・ヘプバーン)が入寮してくる。ジーンがルームメイトを追い出してしまったため、二人は相部屋になるが、上流階級育ちのテリーはなかなか他の寮生たちと馴染むことが出来ない….


キャサリン・ヘプバーンが「赤ちゃん教育(1938年)」の前年に主演した作品。

女優志願者専用の女子寮が舞台ということで、登場人物のほとんどが若くて美人の女の子であり、寮の食事の悪口をはじめとする彼女たちの他愛の無いおしゃべりを聞いているだけでとても楽しい気分にさせてもらえる。

もちろん、彼女たちは友人であるばかりでなく、お互いが皆ライバルとして女優への道を目指して競い合っている訳であり、中にはその争いに敗れて自ら命を絶つ者や結婚の道を選ぶ者も出てくるのだが、そういったシリアスな展開を取り入れることにより、作品全体の華やかな雰囲気に程よい陰影を与えることに成功している。

出演者の方では、まず、圧倒的に素晴らしいのがジーン役のジンジャー・ロジャース。まだフレッド・アステアとのコンビを続けている頃の出演になるのだが、その演技力は既に完璧の域に達しており、立て板に水のセリフを難なく自然にこなしている。残念ながら、後半、急に出番が少なくなってしまうのだが、それがなかったらおそらく彼女の代表作の一つになっていただろう。

また、ジーンの友人アニー役でアン・ミラーも出演しているのだが、1923年生まれという公式記録が嘘でないなら、公開当時まだ14歳!? ジンジャー・ロジャースと一緒にタップダンスを披露してくれるシーンもあるのだが、ダンスに気乗り薄のロジャースに気を使ってか、本領を発揮できていないのがちょっと残念だった。

ということで、ジュディス役のルシル・ボールやケイ役のアンドレア・リーズも良いのだが、肝心のキャサリン・ヘプバーンは完全なミスキャスト。いくら若く見えるからといって、公開当時30歳で貫禄十分の彼女が演技に目覚める前の大根役者を演じるのは無理であり、テリーの舞台稽古のシーンでは、ケイに主役を譲るためにわざと下手に演じているんだろうと勘違いしてしまいました。