若冲が来てくれました プライスコレクション 江戸絵画の美と生命

今日は、妻と娘を車に乗せて、福島県立美術館で開催中の「若冲が来てくれました プライスコレクション 江戸絵画の美と生命」を見に行ってきた。

大人気ということで、午前9時30分の開館時刻前に到着した美術館の入口の前には、チケットを求める人々の長い列が出来ていたが、既に入館は始まっているようであり、さほど待つことなくスムーズに館内へ入ることが出来た。

会場は7つのコーナーに分かれているのだが、お目当ての伊藤若冲の作品が展示されているのは6番目の「若冲の部屋」と7番目の「生命のパラダイス」。しかし、最初のコーナーの最初の作品の前に行列が出来ているような状況では、若冲にたどり着くだけでも相当大変そう。

そこで一計を案じ、1番から5番目までは後回しにして、いきなり6番目のコーナーに向かったのだが、この作戦が大成功。4面すべての壁に若冲の作品が展示されているという夢のような部屋にはまだ人影はまばらであり、素晴らしい作品の数々をゆっくりと鑑賞することが出来る。初期の作品に見られる緻密な書き込みも良いが、個人的には晩年の大胆な筆遣いの方がより魅力的だった。

そして、最後の部屋にあったのが、この展覧会の目玉である“花も木も動物もみんな生きている”であり、その鮮やかな色使いは天下一品。全体をタイル貼りのような升目に分け、それに色を塗っていくという手法は今見ても十分に斬新であり、いつまで眺めていても見飽きることのない傑作だった。

ということで、後回しにした1番から5番目のコーナーにも円山応挙長沢芦雪といった大物の作品を含む江戸絵画の数々が展示されており、こちらも見応えがある。こういった素晴らしい作品が国外に流出してしまったのは大変残念なことであり、今となっては今後も散逸しないことを祈るばかりです。