マグノリアの花たち

1989年作品
監督 ハーバート・ロス 出演 サリー・フィールドドリー・パートン
(あらすじ)
ルイジアナ州のチンカピンに住むマリン(サリー・フィールド)は、娘シェルビーの結婚式の準備で大忙し。髪をセットするため、娘を連れて友人でもあるトルービィ(ドリー・パートン)の経営する美容室に行くと、そこでは新しく従業員に雇われたアネルや前町長の未亡人であるクレリーが他愛の無い世間話に花を咲かせていた。そんなときシェルビーが急に糖尿病の発作を起こす….


引き続き、シャーリー・マクレーンハーバート・ロスと組んだ作品を鑑賞。

主役はサリー・フィールドであるが、彼女が扮するマリンの心の支えとなるトルービィ、クレリー(オリンピア・デュカキス)、ウィザー(シャーリー・マクレーン)、アネル(ダリル・ハンナ)との女の友情がメインのテーマになっており、彼女等の出番も結構豊富に用意されている。

一種の難病モノでもある訳であるが、適度なユーモアが随所にちりばめられており、わが国のそれのように過度に深刻ぶっていないのがとても有り難い。そして、その明るい雰囲気作りに大きく貢献しているのが、下品で皮肉屋の未亡人ウィザーに扮したシャーリー・マクレーンの存在であり、若い頃のキャラクターとは全く異なった愉快な嫌われ者役を楽しそうに演じている。

また、そんなベテラン女優に囲まれた中で、デビューして間もない頃のジュリア・ロバーツがひと際輝いており、病弱であっても決して弱音を吐かないシェルビー役を熱演。並み居る共演者を押しのけて、本作で彼女がゴールデングローブ賞助演女優賞を獲得したのも十分に納得出来る。

まあ、登場人物は(皮肉屋のウィザーも含め)みんな心根の優しい人ばかりであり、田舎町に特有の厄介な人間関係の描写を慎重に避けている等、少々安易過ぎるという批判も当然あるのだろうが、個人的にはこういったストーリーは決して嫌いではなく、最後まで楽しく拝見させていただいた。

ということで、クレリー以外の女性には、夫や恋人といった形ですべて男性のパートナーが存在する訳であるが、彼等がイザというときに悉く役に立たないのがご愛嬌。そんな作品を男の俺が見ても別に腹が立たないのだから、やはり本作の脚本&演出は巧みなんだろうと思います。