レディ・イヴ

1941年作品
監督 プレストン・スタージェス 出演 バーバラ・スタンウィックヘンリー・フォンダ
(あらすじ)
イカサマ賭博師一味のジーン(バーバラ・スタンウィック)は、豪華客船に乗り合わせたビール会社の御曹司チャーリー・パイク(ヘンリー・フォンダ)に近づき、まんまと彼のハートを射止めることに成功。しかし、彼の一途な想いに心を打たれ、いつしか彼を真剣に愛するようになったジーンは、彼に真実を打ち明けることを決心する。ところが、その前に使用人からの情報で彼女の正体を知ったチャーリーは、彼女を冷たく拒絶する….


前々から観たかったスタージェスの代表作。

念願叶って、今回、やっと観ることが出来た訳だが、期待に違わない出来で大満足。
バーバラ・スタンウィックの悪女ぶりはいつもながらお見事で、特に豪華な衣装を身にまとい、イギリス貴族の令嬢イヴになりすましてパイク邸に乗り込むあたりからエンジン全開。新婚旅行の列車の中で過去の男性遍歴の数々を口から出任せに告白するシーンは最高です。

これを受けて立つヘンリー・フォンダも、日頃のイメージを上手く逆手にとって世間知らずの御曹司役を好演。真面目な顔をして最初から最後までとにかくコケまくります。正直、こんなにコメディの上手い人だとは思ってもいなかったなぁ。
その他にも、パイク家の使用人役のウィリアム・デマレストやチャーリーの父親役のユージン・ポーレットなど脇役陣も充実。この人達は、立っているだけでおかしいんだよね。

ストーリーとしては、チャーリーの「ヘビ研究が趣味」という設定があまり生かされていなかった点とラストがちょっと強引だった点が気になったけど、話をグダグダ引っ張るよりも、あのくらいスパっと終わらせた方が見終わった後の印象は良かったのでしょう。

ということで、久々に名優と名監督による傑作を堪能。次は、同じくバーバラ・スタンウィック主演の未見の名作「教授と美女(1941年)」を是非DVD化していただきたい。