9月のメモ

【9月に読んだ本】
◯日本人のしつけは衰退したか(広田照幸
教育史論には“自分たちの受けた教育が真っ当”というような身贔屓を感じさせるものが多いが、本書は極めて論理的な内容であり、正直、初めて納得できる教育論に出会ったという印象。特にしつけの基本には“子どもの自立を促進しよう”とする意図と、それと矛盾する“権威に従順な人間に育てよう”という目的が含まれているという指摘は重要であり、まあ、最初っから完璧なしつけなんかあり得ないということが良く理解できた。

◯G.K.チェスタトン著作集3 自叙伝
一般的な自叙伝とは相当異なった内容を有する作品であるが、これはこれなりにとても興味深い内容。“所有権の否定”というちょっと理念的、仮想的すぎる社会主義に馴染むことが出来ず、“愛国心”というより実感を伴った保守主義を選択するというのは、やや著者の“所有権”に対する理解が皮相的だったような気がするものの、彼の愛国心は、政治的に対立する相手方の愛国心も尊重する(=したがってアイルランド独立運動を支持する。)というものであり、偏狭な敵味方論とは全くの別物であるところがいかにも彼らしい。


【9月に見た映画】
◯シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年)
本作のストーリー、アクションも良いけど、新しい MCUの本格的始動が感じられるところが何より素晴らしい。次の「エターナルズ」もとても楽しみ!


【9月に歩いた山】
◯井戸湿原散策(9月20日
前日光ハイランドロッジ(7時47分)~横根山(8時5分)~五段の滝(8時37分)~象の鼻(9時33分)~下山開始(9時59分)~前日光ハイランドロッジ(10時24分)
横根山へは何度か訪れているが、妻と一緒に象の鼻からの絶景を眺めるのは今回が初めて。天気も快晴だったが、五段の滝のところで思はぬアクシデント(?)発生。まあ、ここに書かなくても記憶には残ると思うので詳細は割愛します。

◯加仁湯から鬼怒沼(9月26日)
加仁湯(5時43分)~日光澤温泉(5時57分)~オロオソロシの滝展望台(7時6分)~鬼怒沼(8時50分)~鬼怒沼巡視小屋(9時7分)~下山開始(9時47分)~オロオソロシの滝展望台(11時30分)~日光澤温泉(12時27分)~加仁湯(12時41分)
妻と一緒に昨日のうちに夫婦淵駐車場から加仁湯まで歩き、準備万端整えて鬼怒沼へ向かう。天気は快晴とまではいかなかったが、日光澤温泉の少し先ではカモシカの出迎えを受けることも出来、まずは上々のスタート。滝展望台までの急登はちょっと大変だが、しばらくすると傾斜は徐々に緩んでいき、約3時間かけて鬼怒沼に到着。ようやく妻に我が国で一番高いところにある高層湿原の景色を見せることが出来た。
帰りは加仁湯の露天風呂で汗を流し、マイクロバスに乗って夫婦淵駐車場へ。当初は日帰りも考えたが、やはり加仁湯に前泊したのは大正解であり、とても楽しい山歩きになりました。