棒ノ折山

今日は、妻と一緒に埼玉県飯能市にある棒ノ折山を歩いてきた。

異常気象のせいで早くも各地から山野草開花の情報が伝わってくるのだが、先行きの見えないコロナウィルス騒動の影響で今一つ春めいた気分になれないのも事実。しかし、長期戦を想定するとストレスを溜め込んでしまうのはむしろ危険であり、ネットで調べた人気の山を歩いて来ようということで、午前7時前にさわらびの湯バス停隣りの駐車場に到着する。

身支度を整えて7時4分に出発し、まずは車道を歩いて有間ダムに向かう。無風快晴という絶好のコンディションの故、前後に登山者の姿は認められるが、まだ早朝ということもあって恐れていた人込みは起きていない。ダムサイドをのんびり歩いて7時29分に白谷沢コースの登山口に着く。

その先しばらくは斜面の途中に付けられたトラバース道が続くが、道幅は十分でとても快適に歩いて行ける。30分弱で白谷沢に行き当たると、今度はゴツゴツした岩の上を歩く沢歩きが始まるが、こちらも特に難しい所はなくてなかなか良い気分。初夏の頃にでも歩いたらさぞかし爽快なことだろう。

事前学習によると藤懸の滝(7時56分)の先あたりでハナネコノメが咲いているということだったが、実物を見たことがないのでどこを探せば良いのか分からない。しかし、ふと目に入った岩(8時2分)の上にとても小さな植物が群生していたので、念のためスマホのカメラで拡大してみたところ、何とこれが大当たり!

正直、アカモノくらいの大きさを予想していたのだが、実物はケシ粒大であり、肉眼でその可愛らしさを愛でることはほとんど不可能に近い。おそらく接写が可能な一眼レフカメラスマホの普及がなかったらこの花が話題になるようなことはなかったはずであり、う~ん、山野草観察も随分現代的(?)になったもんだなあ。

そんなことを考えながらハナネコノメの撮影を終了し、天狗の滝(8時8分)~ゴルジュ入口(8時13分)と沢を遡行していく。鎖場も出てくるが、沢歩き同様、危険性は軽微であり、小学生ぐらいの子どもを連れてきたらむしろ大喜びするんじゃなかろうか。その後、階段状の傾斜を上って沢から離れると、8時44分にベンチの設置された林道に出る。

これまで大した傾斜はなかったものの、ここから先が山歩きの本番であり、それなりの急斜面を一歩ずつ上って行く。岩茸石のある分岐(8時59分)の先にもオーバーユース気味の木の根の飛び出た山道が続いているが、何とか頑張って9時28分に権次入峠(893m)。そこのベンチで一休みした後、9時46分に「棒ノ嶺969m」の表示のある山頂に着くことが出来た。

広場のような山頂には東屋やベンチ等が設置されており、ちょうど空きの出来たテーブル付きのベンチに座って大休止。休憩している登山者は多いものの、混雑というには程遠い故、コロナ感染を心配する必要はないだろう。おにぎりとカップ麺で空腹を満たし、2週間前に歩いたばかりの飯能アルプスの山並みを眺めてから、10時20分に下山に取り掛かる。

権次入峠(10時33分)~岩茸石分岐(10時57分)までは往路を引き返すだけだが、下山するよりこれから山頂を目指す登山者の方がずっと多く、もう少しすると山頂は満員になってしまうのではなかろうか。しかし、分岐を直進して滝ノ平尾根に入ると一気に人影は少なくなり、う~ん、ピストンで白谷沢を下りる人の方が多いのかしら?

そう思ったのは滝ノ平尾根の単調さのせいもあり、林道(11時10分、11時24分、11時31分)を横断する以外、これといった目立った変化は見られない。しかも、それなりの傾斜があるためお散歩気分という訳にもいかず、車の騒音が聞こえるようになってもなかなか終わりが見えてこない。

しかし、白谷沢を下りたとしても上ってくる人とのすれ違いに難渋したであろうことは間違いなく、まあ、それに比べればこっちのほうが幾分マシかなあと妻に言い訳をしながら、ようやく滝ノ平尾根の登山口(12時26分)まで下りてくる。駐車場に着いたのは12時32分のことであり、本日の総歩行距離は9.1kmだった。

ということで、「さわらびの湯」で汗を流すつもりでいたのだが、駐車場付近のもの凄い路上駐車の台数を見て急遽計画を変更。家で「あつまれ どうぶつの森」を楽しんでいるはずの娘にLINEを入れてお風呂の用意を依頼し、途中、ガソリンスタンドに寄っただけで無事帰宅しました。
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