高妻山

今日は、平日に休みを取って長野県北部に位置する高妻山を歩いてきた。

数年前から戸隠山高妻山~乙妻山の周回コースで検討していた山なのだが、コースタイムが長いので日帰りで歩くのはちょっと大変そう。しかも、現在の鈍った足腰では、正直、最後まで歩き通す自信が持てず、計画を変更して対象を高妻山に限定。片道3時間超のロングドライブを経て、午前5時過ぎに戸隠キャンプ場の登山者用駐車場に着く。

予報では梅雨の晴れ間ということだったが、日差しはそれ程ではなく、まあ、山歩きにはちょうど良いのかな。素早く身支度を整えて5時24分に出発すると、しばらくはキャンプ場や牧場の中に付けられた平坦な道をテクテク歩いて行く。5時41分に復路で利用する予定の弥勒尾根分岐を通過すると、ようやくルートは山歩きっぽくなってくる。

しかし、登山道は沢沿いに続いているので傾斜は緩やかであり、何度か出てくる渡渉もそれほど難しくない。廃道との分岐が少々紛らわしいが、目印は豊富なのでボーッと歩いていなければ道迷いの心配も無用であり、滑滝(6時21分)~帯岩(6時30分)という2ヶ所の鎖場を慎重にクリアして6時37分に氷清水に到着。

沢はこの水場のところで終っており、冷たい水で顔を洗ってからやや傾斜の増した登山道を黙々と上っていく。天気は相変わらずであり、湿度が高いので着てきた山シャツは汗でビショビショ。纏わり付く羽虫をお手製のミント・スプレーで撃退しながら歩いて行くと、6時51分に避難小屋のところでようやく稜線上に出る。

すると尾根上の登山道はとても歩きやすく、一不動(6時53分)~二釈迦(7時3分)といった具合に目印も完璧。満開のイワカガミに目を奪われて三文殊は見逃してしまったが、四普賢(7時24分)の前後からはシラネアオイの花も見られるようになる。7時37分に着いた五地蔵の前で本日最初の休憩を取り、自宅に“晴れてきた!”とLINEを入れる。

7時45分に再び歩き出すとすぐに山頂の表示が現われるが、地形図上の五地蔵山(1998m)の山頂は六弥勒(7時49分)の方であり、そこはポケストップにもなっている。その先では残雪が見られるが危険性は皆無の故、持参した軽アイゼンの出番は無く、七薬師(7時57分)~八観音(8時17分)と小ピークを越えて8時26分に九勢至に着く。

目の前には目指す高妻山が大きく聳えており、もう少しと思って勇んで出発したものの、山頂直下の急登はなかなか大変であり、両手を使ってよじ登らなければならないところも出てくる。その先の十阿弥陀(9時10分)は大きな岩がゴロゴロした場所に建っており、あまり立派なのでここが山頂かと勘違いしてしまいそうだが、本物のそれはすぐ先に見えており、9時15分に高妻山(2353m)の山頂に立つことが出来た。

ここまで3組の登山者に先を譲ってもらったおかげで周囲に人の気配はなく、北に火打山妙高山、西に北アルプスの山並みが連なる絶景を独り占め。しばらく休憩していると次の登山者が現われたので下山の準備に取り掛かるが、そういえば最後の急登のところで足が攣りそうな予感がしたので、予防のために芍薬甘草湯を飲んでおく。

さて、9時32分に再出発すると、十阿弥陀(9時37分)の先から数組の登山者とすれ違うようになり、う~ん、もう少し遅れていたら山頂は相当賑やかだったに違いない。そんなことを考えながら歩いていると、突然、右足の脹ら脛に激痛が走り、とりあえず2袋目の芍薬甘草湯を服用して痛みを和らげる。

芍薬甘草湯に予防効果がないことを知ったのはショックだったが、それ以上に不安なのはこれで薬の手持ちを切らしてしまったこと。仕方がないので痙攣を再発させないように歩行スピードを落とし、九勢至(10時13分)~八観音(10時23分)~七薬師(10時46分)とノロノロ歩いて10時54分に六弥勒

ここで休憩を取ってから弥勒尾根に入ると、幸い傾斜がキツイのは初めの所くらいであり、ほとんど見晴らしのない中、“ここから牧場まで約90分”の看板(11時37分)を経て12時3分にブナ仙人。ここにも“牧場まで約40分”の看板があるが、間もなく道は平坦になり、これなら万が一、片足が痙攣したとしても何とか歩いて帰れるだろう。

最後は、弥勒新道出口の看板(12時18分)の先で沢を渡り、再び牧場やキャンプ場の中をのんびり歩いて12時44分に駐車場まで戻ってくる。本日の総歩行距離は13.4kmであり、結局、小まめに休みを挟みながら歩いたおかげで二度目の痙攣は起らなかった。

ということで、暑くなり始めの時期の山歩きにはいろいろなトラブルが付きものだが、まあ、何とか無事に帰ってこられて一安心。3時間超の単独ロングドライブがそれほど苦にならなかったことも大きな収穫であり、今年中には懸案になっている火打山妙高山まで足を伸ばしてみたいと思います。
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