名探偵ピカチュウ

今日は、妻&娘と一緒にハリウッド製のポケモン映画「名探偵ピカチュウ」を見てきた。

正直、企画を耳にした時点では本作を映画館で見ることになるとは思ってもいなかったのだが、その後公開される予告編を見る度にその映像のクォリティの高さに好奇心がムズムズ。しかもピカチュウの声を担当しているのは我らがライアン・レイノルズであり、今回は何故か字幕版での上映もバッチリということで迷わず映画館へ。

さて、タイトルからは全く予想もつかなかったストーリーは、探偵業を営む父ハリーの訃報を受けてライムシティを訪れた主人公のティムが、父のパートナーポケモンだったピカチュウと協力しながらその死に隠された陰謀を探っていくというもの。どうやら最強のポケモンであるミュウツーが事件のカギを握っているらしいのだが、果して彼は敵なのか味方なのか…

そんな訳でピカチュウは最初から探偵帽をかぶって登場するのだが、正直、ストーリーは穴だらけであり、脚本も上手くない。特に、孤独なティムの親友になってくれたピカチュウの正体が実は父親だった(=正確には、父親の意識を一時的にピカチュウに移植していた。)というオチは最悪。ちょっと気持が悪いし、これでは続編にお喋りピカチュウを登場させることが出来ないじゃないか!

まあ、以上が一般的な意味での本作の評価だと思うのだが、見終わった娘の顔には大満足の笑みが溢れており、うん、やっぱりそういう映画では無いんだよね、この作品は。思えば、「ジュラシック・パーク(1993年)」で俺が一番好きなのは、広々とした草原で多くの草食恐竜たちがのんびり草を食んでいるシーンであり、正直、その場面だけでも1、2時間くらいは見ていられる。

本作もそれと同じであり、人間とポケモンが共生する町であるライムシティの日常をこの目で見られたことがすべて。娘の話によると、それぞれのポケモンのキャラに相応しい演出がいろいろと盛り込まれているとのことであり、おそらく本作の製作にはポケモンの生態にかなり精通した人物がしっかりと関わっているのだろう。

不満があるとすれば、むしろストーリーが複雑すぎるところであり、事件の方は「となりのトトロ(1988年)」程度に単純化してしまい、余った時間を使ってライムシティにおける人間とポケモンとの交流の様子をもっとのんびり描いて欲しかった。ポケモンバトルも明るくて健全なものがあって良いと思う。

ということで、ポケモンの映像表現に関してはほぼ完璧であり、勿論、主役のピカチュウはとっても可愛らしい。今後、順次公開が予定されている各国の興行成績次第では続編の製作も期待できるところだが、そのときはどんなコジツケを使っても構わないので、是非、ライアン・レイノルズのお喋りピカチュウを復活させて欲しいと思います。