三度目の奈良旅行(第2日目)

今日は、今回の主目的である吉野山をのんびり見て歩き、京都駅18時2分発の新幹線のぞみで帰宅する予定。

昨日の奈良市内では満開の桜を堪能することが出来たのだが、それは同時に“吉野山の桜の時期はまだこれから”ということを意味している。しかし、幸い天気の方は晴天が続いており、昨日と今日とでどれくらい開花が進んだのか楽しみにしながら大和八木駅午前5時37分発の始発電車に乗って、いざ吉野へ!

途中、橿原神宮前駅での乗換時間が2分しか無いので少々焦ったが、何とかクリアして6時35分に吉野駅に着く。まだ動き出していないロープウェイ駅の脇の階段を上った先が七曲坂(6時46分)であり、この付近が下千本になるのだろうが、周囲の桜はほぼ満開。とりあえずこれで花見の目的は達成できたので、ホッと胸をなで下ろす。

早朝ということで観光客の数はそれ程多くはなく、美しい桜の花を何枚も写真に収めながら黒門(7時7分)~仁王門(7時16分)を潜り、7時21分に3年ぶりの金峯山寺蔵王堂。しかし、そのときは見られなかった“秘仏本尊 特別ご開帳”の受付時刻にはまだ早いので、これも見逃していた吉野朝宮址(7時29分)を見学してから吉水神社に向う。

実は、そこの“一目千本”からの絶景を観光客が多くなる前に楽しんでしまうつもりだったのだが、残念ながら門が閉じられているため境内に入れない。仕方がないので、蔵王堂を満開の桜越しに眺められる場所で写真を撮ったり、東南院の境内のしだれ桜を見物したりしながら金峯山寺まで引き返した。

さて、昨日、追加購入しておいた中谷堂のよもぎ餅を食べながらベンチに座って待っていると、受付を待つ行列が出来たのでそれに並んで定刻(=8時30分)どおりに蔵王堂の中へ案内される。そこには障子のような衝立で仕切られた小区画が複数設けられており、妻と二人、そのうちの一つに入って三体の金剛蔵王大権現と初対面。

青色を基調とした全長7mの巨像はなかなかの大迫力であるが、我々の区画が右端の方だった故、そこからでは左側の一体が良く見えない。退出後もゆっくりと金剛蔵王大権現を眺められる機会はないので、小区画に案内される前に三体揃った全体像を良く目に焼き付けておいた方が良いと思う。

その後、再び吉水神社に向うと既に境内には多くの観光客の姿が見られたが、さほど苦労することもなく一目千本の看板(9時3分)のところへたどり着く。中千本の桜はまずまずだったものの、上千本の方はまだこれからという状態であり、オマケをしても“一目五百本”といったところだが、まあ、足りないところは想像力で補っておこう。

さて、吉水神社の中は三年前に見学しているのでパスさせて頂き、勝手神社の前の分岐を左に入って上千本方面へ歩いていく。しかし、どうやらこちらはメインルートではなかったらしく、櫻本坊の裏手の階段(9時30分)を上ってメインルートに復帰。その少し先にあるケーブルバス乗場には奥千本方面へ向うバスを待つ人々の行列が出来ていた。

予定では上千本の吉野水分神社まで歩くつもりだったが、係の人の話によると時刻表に関係なく4台のマイクロバスがピストン運行しているとのことであり、その誘惑に負けて行列に並ぶ。結局、20分くらい待たされてバスに乗車できたが、この道が“すれ違い困難”なのは3年前に自分の車で経験済みであり、途中、マイクロバス同士がすれ違うときのスリルはなかなかのものであった。

せっかく奥千本まで来たので、しんどそうな妻の手を引いて金峯神社(10時22分)にお参り。3年前に訪れたときにはほぼ無人だったが、今日はそれなりの人出であり、神社の目の前までタクシーで乗り付けてくる団体さんもいるくらい。その後、高城山展望台(10時43分)に立ち寄ってみたが、もちろん桜の花は影も形も見られない。

それでも吉野水分神社(11時8分)まで下りてくると境内のしだれ桜は部分的に花を付けており、上千本の下の方では五分咲き程の桜も見られるようになる。中には花の色が真っ白なものも混じっており、ピンクだらけの中ではかえってその清楚さが魅力的。坂の途中からは中・下千本の桜が眺められるようになるが、どこから見ても金峯山寺蔵王堂はよく目立つ。

さて、ケーブルバス乗場(11時48分)まで戻ってくると、日差しが強くなったせいか桜の鮮やかさが朝方より一段アップしたようであり、櫻本坊(11時53分)の境内にある白とピンクのしだれ桜がとてもきれい。しかし、それと同時に観光客の数もグッと増えてきたようであり、そろそろ何処かに入らないと昼食を食べ損ねてしまうかもしれない。

そこで勝手神社の分岐の一番手前にある“お食事処 坂本屋”(12時10分)というお店をのぞいてみると何とか座れそうなので、そこに入って“葛うどん・柿の葉すしセット”を注文。続いて“吉野葛 八十吉”というお店の葛きりを食べてみると、これがなかなかの美味であり、隣の売店で娘用のお土産をいくつか購入する。

その後も柿の葉寿司や奈良漬け等々のお土産を購入していると、俺が背負っていたザックもいつの間にか満杯。もうこれで思い残すことは何もないと下山に取り掛かるが、道路には満足に歩けないくらいの観光客が溢れており、これを回避するために吉水神社の裏にある急なジグザグ道(13時38分)を下りて“ささやきの小径”に着地。ロマンチックな雰囲気は皆無だが、人通りがまばらなのは間違いなく、そこを歩いて吉野駅(14時21分)まで戻ってくる。

予約しておいた特急電車の発車時刻までにはまだかなり間があるが、それより前の特急券は全て売切れであり、急行に変更してもあまりメリットはなさそう。仕方がないのでソフトクリームを舐めたりしながら時間を潰し、16時4分発の近鉄特急~新幹線と乗り継いで21時22分に宇都宮駅に到着。駐車場に止めておいた車に乗って無事帰宅した。

ということで、一泊二日の強行軍ではあったが、ほぼ予定どおり三度目の奈良旅行を完了することが出来て大満足。もっと時間が自由に使えるようになれば吉野山の桜に再チャレンジということも考えられるが、とりあえずこれで我が家の奈良旅行は一段落だろう。さて、次の目的地は何処にしようかなあ。
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