蔵王山と月山(2日目)

今日は、3年前に途中撤退した月山への再挑戦を果たしてから帰宅する予定。

前回は8月中旬に“志津(リフト)口コース”を使って山頂を目指したのだが、歩き出したときから小雨がパラついているような状況であり、山歩き初心者の娘を同行していたこともあって牛首のところで登頂を断念。今回はコースを“羽黒山口コース”に変更してのリベンジであり、早朝に宿を出発して午前6時頃に月山八合目駐車場に到着する。

宿を出たときには一部青空がのぞいていたのだが、駐車場は濃いガスに覆われており、う~ん、どうやら二日続けての幸運には恵まれなかったらしい。それでも雨が降っていないだけ前回よりはマシであり、身支度を整えてから6時4分に歩き出す。ちなみに駐車場で山伏姿の集団を見掛けたが、帰宅後調べてみたところ“山伏体験ツアー”なるものがいくつか存在するらしい。

さて、登山口を入ると、最初は“弥陀ヶ原”と呼ばれる湿原に敷設された木道の上を歩いていくのだが、周囲にはキンコウカがたくさん咲いており、これがなかなか良い感じ。その先ではニッコウキスゲの群生を見られるようになり、思わず“この景色を爽やかな朝日の下で見られたらなあ”と本音が漏れそうになる。

木道の終点付近には“月山山頂約2時間30分”と記された標識(6時22分)が立っており、その先には緩やかな上り基調の山道がずっと続いている。普段なら歩きやすいのだろうが、昨晩降ったものと思われる雨のせいで足元はちょっとした沢状になっており、何度か足を滑らせて水溜まりにはまりそうになる。

しかし、湿原が終わってからもシラネニンジンチングルマ、イワカガミ等々、俺でも名前を知っている山野草の花がいろいろ咲いており、それらを愛でながら休憩中の山伏グループを追い越してのんびり歩いて行く。その先にいた3人組も山伏姿であり、彼等の後から雪渓(7時16分)を渡って7時40分に佛生池小屋に着く。

山小屋の周囲はハクサンイチゲやウサギギク等々の自然のお花畑になっており、晴れていれば屋外で休憩したいところであるが、相変わらずガスが立ち込めた状態の故、小屋の中に入って暖かい甘酒を飲みながら一休み。先客は山伏3人組だけであり、しばらくすると前述の山伏グループも到着したが、結局、上りでは彼等以外の登山者に出会うことはなかった。

さて、再出発後、オモワシ山(8時2分)を経て行者返し(8時26分)の急登を上ると、ルートは再び平坦になり、大きめの石の敷き詰められたところや木道の上を歩いて行く。ガスのせいで周囲の景色は全く見ることが出来ず、今どんな場所を歩いているのか分らない状態だが、コバイケイソウをはじめ山野草の花々は豊富であり、それらを愛でながら黙々と歩いて行く。

二つ目の雪渓(8時54分)を渡るとミヤマキンポウゲの咲く山頂はもうすぐであり、9時8分に山頂(1984m)に建つ月山神社に到着。一番高いところはこの境内にあるそうなので、各々500円を支払ってお祓いをしてもらってから境内をぐるりと周回する。その後、月山頂上小屋(9時21分)まで行ってみたが、休業中のため中には入れなかった。

仕方がないのでさっさと下山に取り掛かり、往路をそのまま引き返す。結局、山頂からの景色は全く望めず、“ツイてなかったねえ”と妻に愚痴をこぼしながら歩いていたのだが、そのうちとうとう雨が降り出してしまい、俄に風も強まってくる。こうなると、雨が降り出す前に山頂に着けたことはむしろ幸運だった訳であり、慌ててレインスーツを身に着ける。

雨でさらに滑りやすくなった山道はなかなか厄介であり、下りでも思うようにスピードは上がらないが、帰路でスレ違ったこれから山頂を目指す3組の登山者のことを考えれば愚痴ばかり言ってもいられない。結局、最後に立ち寄る予定だった中ノ宮はパスしてしまい、12時25分に駐車場に戻ってくると、本日の総歩行距離は10.9kmだった。

ということで、日帰り温泉で雨に濡れた身体をさっぱりさせてから、高速道路を乗り継いで無事帰宅。久しぶりのロングドライブだったが、行きは那須SAまで、帰りは寒河江SAまで妻が運転を代わってくれたのでとても助かった。そのうち鳥海山も歩いてみたいと思っているので、その際もよろしくお願いします。
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