荒船山

今日は、妻と一緒に群馬県と長野県の県境に位置する「荒船山」を歩いてきた。

“荒波を割って進む船を思わせる”というユニークな山容を持つ山であり、一度歩いてみたいと思っていたのだが、さほど広くない駐車場がすぐに埋まってしまう人気の山ということで、紅葉の時期をあえて(?)ハズした今が絶好のチャンス。と思っていたら、午前8時前に着いた内山峠の駐車場はほぼ満車であり、その手前にある駐車スペースに車を止めて何とか路上駐車だけは回避することが出来た。

さて、身支度を整えて7時57分に出発。駐車場で既に標高1000mを超えていることもあって周囲はすっかり冬山の様相を呈しており、霜柱を踏みつけながら比較的平坦な山道をトボトボ歩いて行く。周囲の山々に目をやると山頂付近が白くなっているのを確認することが出来、うん、これならこっちの山でも霧氷を期待できそう。

そんな願いは間もなく叶えられ、周囲の風景は次第に霧氷の世界へと変化していく。鋏岩修験道場跡(8時49分)付近からは巨大な艫岩を間近に眺められるが、霧氷に包まれたその雄大な姿は、荒船というより、ちょうど今読んでいる「白鯨」に出てくるモービィ・ディックを思わせる。紅葉には間に合わなかったが、これはこれで見応えあるなあ。

日差しが出てくると上空には青空が広がり、それを背景にした高木の霧氷がとても美しい。一杯水(9時9分)の先の岩場は濡れて滑りやすくなっていたが、それを慎重に上り終えるとようやく艫岩の上に出られたようであり、再び平坦になったルートを歩いて“この先断崖絶壁”の看板のある断崖(9時29分)へ。事前に漫画家の臼井儀人氏の事故のことを話しておいたせいか、妻は近づこうともしなかった。

さて、9時37分に艫岩展望台に着くとそこでは多くの登山者が休憩しており、彼らに混じって浅間山北アルプスの山々の雄姿を眺める。気分的にはこれでミッション完了であるが、荒船山の最高点はこの先の経塚山にあるらしく、まだ疲れてもいないので休憩より先にそちらを済ませてしまうことにする。

標高は1300mを超えているものの、周囲はずっと平坦であり、まるで平地林の中を歩いているような雰囲気。しかし、太陽に照らされた霧氷が頭上から落ちてくるため、地面は真っ白であり、星尾分岐(10時10分)の先から出てくる最後の急斜面を慎重に上って10時22分に経塚山(1422.7m)に着く。

残念ながら山頂からの見晴らしは皆無であり、我々の後からも次々に後続者が上ってくるためあまりのんびりしていられない気分。仕方がないので山頂での休憩は諦め、積もった霧氷で滑りやすくなっている斜面をへっぴり腰で下って艫岩展望台のところにある避難小屋(11時15分)まで戻ってくる。

そこに入って、おにぎり&カップ麺という定番のメニューを食べながら大休止。お隣のご夫婦は持参したコンロ(=多分、寒冷地仕様ではない。)に火がつかずに苦労していたが、こちらはいつもの山専ボトルなので問題はない。休憩後、11時37分に下山に取り掛かり、一杯水(12時5分)を通って13時11分に車を止めた場所に到着。本日の総歩行距離は10.9kmだった。

ということで、恒例の日帰り温泉は「荒船の湯」を利用して冷えた体を温め、「下仁田こんにゃく観光センター」や「道の駅 しもにた」に立ち寄ってネギやこんにゃく等を大量購入してから無事帰宅。ただし、下仁田こんにゃくのツルツルした歯触りはあまり好みには合わず、やっぱり地元のこんにゃくの方が美味しいと思います。