今年の夏山後半戦は天候に恵まれず、北アルプス方面の天気予報を眺めていても晴マークが2日以上続くような予報にはまずお目にかかれない。一方、残り少なくなった夏休みを使えるのも今月限りであり、いつまでも待ってはいられないということで、天気の良さそうな山の中からこの2座を選び出し、日帰りで歩いてくることに決めていた。
ところが水曜日の台風18号の影響で県内を中心に記録的な大雨となってしまい、計画は一気に黄色信号へ。どうなることかと気を揉んでいたところ、幸い山梨方面の降水量は大したことがなかったらしく、登山口へ続くみずがき林道の通行止めは前日中に解除。最後の懸案だった東北自動車〜北関東自動車道の規制解除も何とかギリギリで間に合って、午前5時過ぎに瑞牆山荘の先にある無料駐車場に無事到着する。
さて、5時18分に駐車場を出発し、瑞牆山荘前の登山口(5時20分)から山道に入る。瑞牆山も金峰山も日本百名山になっているので、さぞかし立派に整備されているだろうと思っていたが、登山道は意外に自然のまんまというか、正直言って荒れており、階段や標識の類も必要最小限っていう印象。
いったん林道(5時32分)に出ると“星宮さん・参道入口”という意味不明な標識が立っており、その先の水場(5時48分)を過ぎて5時51分に富士見平小屋。ここが瑞牆山と金峰山との分岐点になっており、まずは手前のルートを選んで先に瑞牆山を目指す。
平坦な登山道はしばらくすると下り基調となり、小川山分岐の先からは沢に向かって急降下。帰宅後調べたところによるとこの沢には“天鳥川”という名前が付いているそうであり、6時10分にそれを渡渉した後、ナメ滝のような沢沿いに続く岩場の急登を上っていくが、しばらく先で沢と分かれてからも岩場の急登は終わらない。
6時47分、急に見晴しの良い岩場に飛び出し、後ろを振り返ると巨大な岩が聳え立っているのが見える。ここにも標識は無いが、事後学習によるとこれが“大ヤスリ岩”であり、その右側に付けられたルートを上っていくと7時7分に瑞牆山(2230m)の山頂に着くことが出来た。
山頂手前ですれ違った本日最初の登頂者の方のお話のとおり、山頂からの眺めはほぼ完璧であり、快晴の下、富士山や八ヶ岳を含む周囲の山々を一望することが出来る。その富士山の左手には次の目的地である金峰山の名物である五丈岩の姿もはっきり見えるのだが、随分距離がありそうであり、本当にここから歩いて行けるのかしら。
しばらくすると3番目の登頂者が上ってきたので、その方に山頂を譲り渡して再出発。やはりこの後に金峰山に向かうということなので、そちらでの再会を約してから天鳥川(8時3分)〜小川山分岐(8時9分)と来た道を引き返し、8時22分に富士見平小屋まで戻ってくる。
山小屋の前のベンチで一休みしてから金峰山に向けて再出発するが、標識の示す方向がアバウトなせいでいきなりのルートミス。正しいのは山小屋の前の広い道ではなく、トイレの隣に付けられた山道であり、そこを上って尾根(8時36分)に出た後は、鷹見岩分岐(9時00分)〜大日小屋(9時8分)と進んでいく。
歩き始めてからまだ4時間も経っていないというのに、続く大日岩(9時34分)までの急登でかなりのバテバテになってしまい、最近のトレーニング不足を反省しながら10時28分に砂払いノ頭という場所に到着。ここで予定外の休憩を取っていると、瑞牆山の山頂でお会いした3番目の登頂者の方にあっさりと追い越される。
しばらく休んでからようやく重い腰を上げると、そこが金峰山の山頂へと続く岩尾根のスタート地点だったことが判ってテンションは再上昇。山頂まではあと2つほど岩場のピークを越えていかなければならないが、周囲の素晴らしい景色を眺めていれば疲れた足も自然に軽くなる。金峰山小屋分岐(10時46分)〜五丈岩(11時14分)と写真を撮りながらゆっくり歩いて、11時18分に金峰山(2599m)到着。
雲が出てきてしまったために富士山等の姿は見えなくなってしまったが、岩場にゴロンと横になって休むには眩しくなくてむしろ好都合。目の前に聳える五丈岩や随分下の方に見えている瑞牆山等を眺めながらゆっくり腹拵えをし、11時46分に下山に取り掛かる。
さて、復路はせっかくなので金峰山小屋(12時3分)に立ち寄り、コーラ(@400円)を購入して気分スッキリ。12時21分に岩尾根の縦走路と合流すると後は往路を引き返すだけであり、砂払いノ頭(12時35分)〜大日岩(13時13分)〜大日小屋(13時38分)〜鷹見岩分岐(13時51分)〜富士見平小屋(14時15分)〜林道(14時38分)と歩いて14時51分に駐車場まで戻ってくる。本日の総歩行距離は16.5kmであり、20kmを大きく下回っているというのに途中バテてしまったのはちょっぴり情けないなあ。
ということで、瑞牆山も金峰山もとても眺めの良いところであり、日本百名山に選ばれているのも素直に納得。岩場の急登が続く瑞牆山は難しいとしても、金峰山を大弛峠方面から歩くのであれば妻にも何とかなりそうであり、後日、彼女を誘って再訪してみようと思いました。