キングスマン

今日は、妻と一緒にマーク・ミラー&マシュー・ヴォーンのコンビによる「キングスマン」を見に行ってきた。

英国で初公開されてから半年以上が過ぎているため、迂闊にもその存在をすっかり忘れていたのだが、夏休みに帰省していた娘が“今、一番見たい映画”と言って本作の名前を挙げていたのを聞いてようやく思い出す。結局、それからさらに1ヶ月の月日が経過してしまったが、遂に本邦初公開!

さて、先日55歳の誕生日を迎えた良識派コリン・ファースが自身初のアメコミ・ヒーロー役を演じるというだけで話題性は十分であり、「アイアンマン(2008年)」シリーズをちょっぴり上品にしたような大人向けヒーロー・アクション映画を予想していたのだが、流石に「キック・アス(2010年)」のコンビが考えることは常軌を逸しており、見事なまでに不道徳な快作に仕上げられている。

特に、アナクロかつアナログ的なスパイ道具の数々と現代的かつスピーディーなアクションシーンとの組合せはなかなか新鮮であり、かなり残虐な戦闘シーンであっても明るく爽やかに表現してしまう。まあ、いくら悪人とはいえ、人の頭を花火のように打ち上げてみせるのは本来イケナイことなのだが、それをつい大笑いしながら鑑賞してしまうのはどうしてなんだろう。

また、キングスマンの活躍と並行して、その候補生となった若者たちの選抜過程を描いた脚本も良く出来ており、ある悲劇を契機にその二つのストーリーが一つに収束されていくという構成もバッチリ決まっている。唯一、若き主人公が命を救ったあのパグ君がその後のストーリーに絡んでこないのが難点であるが、とりあえず次回作でのご活躍を期待することにしておこう。

ということで、その続編の計画も具体化しつつあるらしいのだが、ギャラの高そうな俳優さんは本作で皆さん退場して頂いたので、次回作はマシュー・ヴォーン監督の好きなように作れるんじゃないかなあ。マーリン、ギャラハッド、ランスロットの3人は決まっているとして、新しいアーサーには是非セクシーなスカンジナビアの王女様を起用して欲しいと思います。