トロン:レガシー

正月向けのTV番組にも飽きてきたので、今日は家族で「トロン:レガシー」を見に行ってきた。

本作は、今から30年くらい前に公開された「トロン(1982年)」の続編。マイコン青年であった俺は前作をロードショーで見ている訳だが、長男や娘にとっても某TVゲームに登場するキャラクターとしてトロンはお馴染みであり、本作を見ることになったのも実は長男からのリクエストという次第。

さて、映画が始まると、まことに簡潔な説明だけで主人公のサムはコンピューターの世界に入り込んでしまい、前作でも話題になったディスクやオートバイを使った華麗なアクションを次々と披露してくれる。そして危機一髪のところを謎の美女クオラに救われるのだが、ここまでのテンポの良い演出は見ていてなかなか心地よい。

これは意外な拾い物かと思い、ちょっと身を乗り出して見ていたのだが、主人公の父親(=というか、こちらが本当の主人公だった。)が登場するあたりからアクションシーンは極端に少なくなってしまい、やっと登場した“正義のヒーロー”トロンもほとんど見せ場が無いままに終わってしまう。

まあ、前作も映画としてはちょっと残念な出来の作品だった故、ある程度予想はしていたのだが、出だしが悪くなかっただけに後半のストーリー展開にはかなり不満が残る。二役をこなした大物ジェフ・ブリッジスに気を使ったのかもしれないが、ここはサムとクオラという若い二人を前面に押し出し、最後までSF風アクション映画に徹して欲しかった。

ということで、前作ではコンピューターという二進法の無機的世界を如何にして視覚化するかという点に最大の興味があったような記憶があるが、CGが溢れかえっている今となってはそんな興味はどこへやら。コマンドとしての“トロン”の意味を知る人も、今後どんどん少なくなっていくのでしょう。