飯豊山

今日は、福島県新潟県山形県の県境にある飯豊山を歩いてきた。

本当は二泊三日の日程で北アルプスを歩いてくる予定だったのだが、前線が停滞していることもあって天気予報を眺めていてもなかなか雨マークが消えてくれない。傾向的には北に行くほど天気の崩れは小さいようであり、やむなく以前から目を付けていた飯豊山に予定を変更することにした。

さて、この山の属する飯豊連峰は、山容が大きいためにテン泊なり山小屋泊なりで歩くのが一般的なのだが、最高峰の大日岳にこだわらなければ日帰りも可能であり、すれ違いの困難な狭い道を延々と車を走らせて、午前5時前に登山口のある祓川駐車場に到着。すでに4、5台の車が止まっていたが、それらは全て無人であり、おそらく昨晩山中に泊まった人たちのものであろう。

日帰りのお仲間がいないのはちょっと寂しいが、身支度を調えて4時55分に出発。疣岩分岐までは新長坂ルートと新ルートの二つがあるが、地元自治体のお勧め(?)に従って後者を選択し、樹林帯の中の見晴しの無いルートを進んでいく。いきなりの急登であるが、幸い30分ちょっとでなだらかになり、6時1分に稜線上にある上の越に着く。

その先も上り基調であるが、右手の開けたところでは雲の上に頭を出した磐梯山がよく見える。上空はあいにくの曇天であるが、天気予報によると夕方まで雨は降らない見込みであり、何とかそれまでには戻ってきたいなあと思いながら7時ちょうどに疣岩分岐。ここで新長坂ルートと合流する。

獅子沼分岐(7時7分)を右折すると疣岩山(1653.5m)の三角点(7時11分)があり、次の三国岳(1644m)の山頂に立っているのが三国小屋(7時40分)。ちょうど管理人さんが居らしたので、お昼前には飯豊山に着きたいのだがと話してみると、“荷物が軽そうだから大丈夫ではないか”とのお答えだった。

種蒔(8時26分)付近ではややピークを外れるが、それ以外はほとんど稜線上を歩いて行くので周囲の景色は素晴らしい。先日名前を覚えたばかりのシラネニンジンをはじめ、足下には多くの花が咲いており、これで快晴だったらさぞかし最高の気分だろう。念のため、切合小屋(8時40分)の水場で空になったペットボトルに給水し、草履塚(1908m。9時14分)を越えて9時28分に姥権現に着く。

この辺りからにわかに風が強まり、びしょ濡れになるほどではないものの、雨粒も交じってくる。天気予報は外れだったかと愚痴りながらカッパの上だけを身に付けて御秘所と呼ばれる岩場を進んでいくが、ザックカバーを付けてしまったのでGPSを確認するのも面倒であり、目指す本山小屋まであとどれくらいあるのか分らなくなる。

ほぼ山頂と思われるところまで上ってくるとようやく本山小屋の建物が認められ、10時10分に到着。その先に続く山頂までの縦走路は開放感のある素晴らしいルートであり、こんな天候でも来て良かったと十分納得できる。10時21分に着いた飯豊本山(2105.1m)の山頂からは縦横無尽に走る飯豊連峰の稜線が一目で見渡せるが、風が強いので休憩は不可能であり、本山小屋(10事37分)まで引き返してから風の当たらないところで大休止。

幸い雨は上がったようであり、持参した食料で空腹を満たしてから10時48分に再出発。下山は往路を引き返すだけだが、七森の先辺りで木の枝が激しく揺れているのを見て思わず足が止まる。遂に熊と初対面かと観念したが、正体は登山道にはみ出した木の枝を処理していた三国小屋の管理人さん。今朝の会話を覚えていてくれたらしく、山頂まで行ってきたと報告すると、“すごいね”と褒めてくれた。

再出発(10時48分)〜御前坂(11時6分)〜御秘所(11時18分)〜姥権現(11時21分)〜草履塚(11時38分)〜切合小屋(12時00分)〜種蒔(12時18分)〜七森(12時35分)〜鉄ハシゴ(12時53分)〜三国小屋(13時5分)〜三角点(13時47分)〜獅子沼分岐(13時55分)〜疣岩分岐(14時00分)〜上の越(14時55分)〜駐車場(16時3分)

ということで所要時間及び総歩行距離(25.1km)ともに先月の黒岩山の記録を下回っているが、疲労度という点では今回の方がずっと上。まあ、体がナマっていたせいもあるのかもしれないが、最後の最後での激下りは疲れた足には大きな負担であり、やはり下山時には新長坂ルートを使用すべきだったのかもしれません。