ミーハー気分で雲巌寺再訪

今日は、妻と一緒に旧黒羽町にある雲巌寺に行ってきた。

禅宗の日本四大道場の一つにも数えられるこのお寺には、結婚当初、やはり妻と二人で訪れた記憶があるが、今回、数十年ぶりに再訪する気になったのは、勿論、某鉄道会社のTVCMがきっかけ。決して吉永小百合の大ファンという訳ではないのだが、人里離れたこの古刹がCMを契機にどのような変貌を遂げたのか、この目で確認してみるのも悪くない。

さて、東京に遊びに行くという娘をJR宇都宮駅に送り届けた足で大田原市を目指すが、ちょっと時刻が早いので、先に県内の白鳥飛来地として知られる羽田沼に寄り道。大勢は既にシベリアに帰ってしまったのか、沼にいた白鳥は5、6羽くらいだったが、それもしばらくすると朝飯を探しに(?)飛び去ってしまう。まあ、おかげで白鳥が飛び立つ決定的シーンをスマホのカメラに収めることが出来た。

そこから雲巌寺までは車で30分弱であり、広い駐車場に先客は一台だけ。CMにも使われている朱塗りの反り橋を渡って山門に入ると、山の斜面を利用した伽藍配置はなかなか良く出来ており、植木等もきれいに手入れされている。紅葉の時期はさぞかし美しいだろうが、こんな冬枯れの侘しさもまた一興。

しかし、芭蕉の句碑を含め、ゆっくり見て回ったとしてもせいぜい一時間が限度であり、これを見るためにわざわざ東京から足を伸ばすかというと、正直、かなり疑問。結局、住職らしき方に“小百合ちゃんに会えると思って来たの?”とからかわれた以外、CMの影響で変ったところは無さそうであり、まあ、それはそれで良かったのだと思う。

さて、せっかくなので車で芭蕉公園まで移動し、そこを散歩したついでに昨年、国の重要文化財に指定されたという大雄寺を見学。予備知識はほとんど無かったが、本堂や禅堂、そしてそれらを繋ぐ廻廊等が全て萱葺き屋根というのが面白く、田舎の禅寺らしくてとても良い感じ。事前に予約しておけば本堂の中も見せてもらえるそうであり、機会があれば次はそちらも見てみたい。

芭蕉公園のそばにある「茶房 城山」の開店は11時からであり、まだちょっと時間があるので先に「黒羽温泉 五峰の湯」のヌルヌルしたお湯で体を温めてから再トライ。11時20分頃には着いたと思うが、既に店内は満席であり、外でちょっと待たされてから「おにぎりセット+あんみつ」(=俺)と「おやきセット+白玉ぜんざい」(=妻)で空腹を満たす。

隣接するパン屋さんの「trump bakery」を含め、お値段は“黒羽価格”(=我々が勝手に命名)でとてもリーズナブルであり、勿論、味も上々。お店の看板猫の写真を娘にLINEしたところ、期待どおりとても羨ましがってくれたので、これを口説き文句に使って次回は親子3人で訪れたいと思う。

ということで、“今週は、山歩きはお休み”という妻のために企画した小旅行であったが、結果は上々であり、とても楽しかった。昔は非常に遠く感じられた雲巌寺までの道のりも、道路が良くなったのと山歩きによる“ロングドライブ慣れ”のお陰でほとんど苦にならず、ご要望があればいつでも再々訪可能です。