燧裏林道から尾瀬ヶ原へ(2日目)

今日は、龍宮十字路から沼山峠まで歩き、バスで御池の駐車場に戻ってから帰宅する予定。

早朝4時前に目が覚めたので窓から外を見てみたが星は出ておらず、う~ん、今日もあまりパッとしない天気らしい。それでも徐々に明るくなっていく湿原の様子はとても美しく、こういった風景は山小屋に宿泊しないとなかなか見られない。6時からの朝食を済ませた後、のんびり出発の準備に取り掛かり、7時28分に宿を出る。

最初は山小屋の前の木道を歩いてヨッピ吊橋(7時48分)に向かい、そこを左折して着いた龍宮十字路(8時16分)のベンチで一休み。上空には雲が多いが所々青空がのぞいており、当面、雨の心配は無いだろう。日差しが昨日よりも明るいために草紅葉の鮮やかさは一入であり、今まで見た中では今回が一番きれいかもしれない。一方、池塘に浮ぶヒツジグサはもうお終いであり、草紅葉と色付いたヒツジグサを一緒に楽しむのは難しいようである。

さて、ここからが今回の山歩きのメインイベントであり、それは今まで歩いたことの無い龍宮十字路と沼尻の間を繋げること。龍宮小屋の先で群馬と福島の県境(=東電小屋は新潟なので、これで3県目)を跨ぎ、見晴に向かって歩いて行くと上空の青空がどんどん広がっていき、それまで雲に隠れていた燧ヶ岳や至仏山の山頂が次々にその姿を現わしていく!

特に正面に聳える燧ヶ岳の姿は見事であり、うーん、今度はナデッ窪の方から歩いてみたいなあ。そんなことを考えながら見晴(8時58分)に着くと、そこには数棟の山小屋が建ち並んでおり、何だかとてもお洒落な雰囲気。しかし、尾瀬ヶ原はこれにて終了であり、次は尾瀬沼に向かって樹林帯の中を歩いて行く。

ほとんど平坦なルートだろうと思っていたが、実際は上りが主体であり、反対方向に歩いた方がずっと楽だったに違いない。しかし、今となってはどうすることも出来ないので、燧ヶ岳分岐(9時19分)~仮橋(9時36分)と特に見るべきものも無い地味なルートを黙々と歩いて行く。

ようやく下り基調に変り、大きな石がゴロゴロした斜面を下りていくと、その先の湿原には映画のセットに出てくるようなお洒落なパラソル付きのサンデッキ(?)が建っている。思わずGPSで確認してしまったが、ここが9年前に妻と一緒に訪れた沼尻休憩所(10時43分)であることに間違いはなく、東電小屋で作ってもらったお弁当で早めの昼食。

残念ながら上空は再び雲に覆われてしまい、尾瀬沼にはまるで夕刻のような雰囲気が漂っている。しかし、まだしばらくは雨の心配は無さそうであり、注文したホットコーヒーで乾杯をして今回のミッションが無事完了したことを妻と祝う。実は、滑りやすい木道にもかかわらず、夫婦揃ってここまで一度も転んでおらず、この9年間で山歩きの技量も幾分上達したらしい。

さて、11時6分に再び歩き始めると、長英新道分岐(11時43分)~沼山峠分岐(11時53分)を経て11時56分に長蔵小屋に着く。いつもはパスしてしまうのだが、今日は時間がたっぷりあるので尾瀬沼の畔まで行ってみたり、ビジターセンターを冷やかしたりしながらゆっくり見学。

再出発(12時22分)後は、最後のダラダラした上りを何とか頑張って13時36分に沼山峠に到着。ここまでの総歩行距離は15.8kmであり、13時50分発の真新しい電気バス(!)に乗って御池駐車場まで戻ってくることが出来た。

ということで、駒の湯に入って汗を流してから娘の職場付近へ直行し、仕事を終えた彼女を拾って無事帰宅。今回のミッション成功により、鳩待峠から沼山峠まで繋がったことになるのだが、改めて地図を見直してみるとまだまだ歩いていないところが残っており、取りあえず来年は大清水から尾瀬沼に向かうルートを歩いてみたいと思います。
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