ペーパー・ムーン

今日は、妻&娘と一緒に「午前十時の映画祭」で公開されていた「ペーパー・ムーン(1973年)」を見てきた。

ピーター・ボグダノヴィッチの監督による名品であるが、ロードショー公開されたのは俺が高校生のときなので、おそらく飯田橋あたりの名画座で見たのが最初だったのだろう。その後もビデオ等で見返した記憶はあるが、また久しぶりにモーゼとアディの珍道中を拝見したくなったので、未見の妻&娘を誘って映画館へ向う。

さて、ストーリーは、チンピラペテン師のモーゼが、亡くなった馴染みの娼婦の一人娘アディを親戚の家まで送り届けるというロード・ムービーなのだが、モーゼがアディの“父親”である可能性を否定できないというところがミソであり、二人で旅を続けていくうちにだんだん“親子の情”みたいなものが湧いてくる。

こう書いてしまうとお涙頂戴の三文映画みたいになってしまうのだが、そうなるのを防ぐためにアディをこまっしゃくれた悪ガキ(?)に仕立て上げたアイデアが秀逸であり、当時9歳だったというテイタム・オニールは男の子みたいなオカッパ頭にタバコをふかしての大熱演。今だったらタバコの煙にはCGを使うんじゃないのかなあ。

まあ、そんな子ども相手に本気の演技を仕掛ける大人の役者も大変だったと思うが、実の父親であるライアン・オニールはともかく、幼いアディに対して“女の本音”をチラッと覗かせてみせるトリクシー役のマデリーン・カーンの演技は見事であり、(今になって考えると)アカデミー助演女優賞は彼女の方に上げたかった。

ということで、今回改めて調べてみたところ、そんなマデリーン・カーンは1999年に病死してしまっており、テイタム・オニールは「がんばれ! ベアーズ (1976年)」以降、長期低迷中。将来を嘱望されていたピーター・ボグダノヴィッチももうすぐ80歳であり、もう一花咲かせるのは難しそうな状況です。