奥久慈男体山から袋田の滝

今日は、妻と一緒に紅葉を楽しみながら、奥久慈男体山から袋田の滝まで歩いてきた。

今回の発案者は妻の方であり、どうやら2年前の生瀬富士で伺った地元の方の話しを覚えていたらしい。問題になるのは西金駅から大円地駐車場までの5km弱の区間をどうするかという点であるが、まあ、言い出したのは妻の方なので、タクシー等が見つからなければ歩いてしまえばイイさと思いながら、午前6時半頃に袋田の滝第一駐車場に到着。(本当は観光客のお邪魔にならないよう第二駐車場を利用するつもりだったが、早朝のためか、利用不可だった。)

さて、身支度を整えてから6時45分に出発。まずは西金駅まで電車で移動するためにJR水郡線袋田駅までの2km程の道のりをテクテク歩いて行く。7時13分に着いた袋田駅では同好の士とみられる若者2名が電車を待っており、大円地駐車場まで彼等とタクシーを相乗り出来るかもしれないなあと考えながら7時27分発の電車に乗り込む。

ところが、7時38分に着いた西金駅では嬉しい誤算が待っており、大子町が用意してくれたシャトルバスを無料で利用できることになる。駅の周囲にタクシーの姿は見当たらず、本当だったら1時間くらい舗装道路を歩かなければならなかったところをわずか15分で大円地駐車場に着いてしまったのだから、もう幸先が良いったらありゃしない。

妻は舗装道路歩き用に普通のスニーカーを履いてきたので、ここで登山靴に履き替えて8時ちょうどに出発。8時7分に着いた分岐では、何人かいた先行者の方々は全員“健脚コース”の方に進んでしまい、“一般コース”を選んだのは我々だけ。まあ、先は長いし、前後を気にせずに歩けるのはむしろ有り難い。

周囲の見晴らしはパッとしないが、大円地越(9時00分)に着くとようやく朝日にきらめく美しい紅葉の様子が眺められるようになり、そこのベンチに座って小休止。しかし、そこより高いところでは既に落葉の時期を迎えているようであり、枯れ葉を踏みしめながら9時43分に男体山(653.7m)の山頂に着く。

山頂では大勢の登山者が休憩していたが、我々も空いている場所を見つけて大休止。前回(=2009年3月)の記憶はほとんど残っておらず、周囲の景色を新鮮な気持ちで見渡すことになるが、目指す袋田の滝がどっちの方角なのか皆目見当が付かない。ちょっぴり不安になるが、まあ、他の登山者もいるから何とかなるだろうと10時11分に再出発。

健脚コースとの分岐(10時16分)まで進むと、そこには“至袋田の滝 月居山”という立派な標識が立っている。その後、随分と高度を下げてしまい、一部では尾根筋を巻いてしまうようなところも出てくるが、要所には大子町立の標識が配置されているので安心して歩いて行ける。

高度や陽当たりの具合によって微妙に変化する紅葉を眺めながら第二展望台(12時38分)に着くと、いい加減な事前学習のせいでここが鍋転山だろうと妻に告げてしまうが、本当の鍋転山は次のピーク(12時54分)であり、ヌカ喜びをさせてしまった妻に言い訳をしながらそこの屋根付きのベンチに座って何度目かの休憩を取る。

さて、最後のピークである月居山への斜面を上っていくと今が盛りの素晴らしい紅葉が我々を迎えてくれるが、山頂と思われる場所に立っていたのは月居城跡(13時45分)の看板。結局、どこが山頂だか分からぬままにロープが設置されている急斜面を下りていくと、我々の前を歩いていた団体さんは鐘楼のところまでで下山してしまうらしい。

妻もその後を付いて行きたそうだったが、ここは心を鬼にして観音堂(14時1分)の裏手に続く階段を上るように指示すると14時10分に最終ピーク。帰宅後調べたところによると、月居山は双耳峰であり、月居城があったのはその後山でこっちが前山らしいのだが、まあ、何はともあれもう上らなくて良いということで、ようやく妻の表情にも笑顔が戻る。

疲れた足にはその後の長〜い階段下りもそれなりの負担だが、生瀬の滝や袋田の滝(14時37分)を眺めながらのんびり下山。いつしか周囲は観光客ばかりになってしまうが、そんな人々に混じって吊り橋(14時49分)のところから滝に別れを告げ、お団子等を食べながら15時18分に駐車場まで戻ってくる。本日の(駐車場から袋田駅までの区間を含む)総歩行距離は14.3kmだった。

ということで、朝の無料シャトルバスへのお礼の意味も込めて、恒例の日帰り温泉には町営の「大子温泉保養センター森林の温泉」を利用させて頂き、リンゴの浮かんだお湯ですっきり汗を流してから無事帰宅。入浴料は@1,000円とちょっとお高めであるが、“シャトルバスに乗れなかったら死んでいたかもしれない”と話す妻の命の恩人と思えば、全然安いもんです。