六郎地山

今日は、お手頃なロングコースの第21弾ということで、鹿沼市日光市の境界線上にある六郎地山を歩いてきた。

これといって見所のないこの山を歩くルートとして一番魅力的なのは、川中島を起点として夕日岳〜薬師岳〜三ノ宿山〜六郎地山と歩く周回コースなのだが、かなり大変そうだし、今日は先日切開してもらった腹部の“おでき”の治療のために夕方から診療所へ行かなければならないので時間的にもちょっと無理。そこで、いつも参考にさせて頂いている「日光連山ひとり山歩き」で紹介されているルートで歩いてみようと、午前6時前に県道14号の路肩の広くなっているところに到着する。

さて、このルートにはイヤらしい岩場が出てくるそうであり、加えて24日に降ったばかりの11月中としては異例の積雪の影響もちょっと心配ということで、20mロープ、軽アイゼン、冬用グローブ、舗装道路用スニーカー等を詰め込んだ安物の日帰り用ザックはすでにパンパン。ちょっと重いかなあと思いながら6時5分に出発する。

しばらく舗装道路を歩いたところで入れ忘れていたGPSの電源をONにし、市境の峠(6時21分)のところから尾根に取り付く。尾根上には鹿除けネットが張られており、しばらくはその左側を歩いて行くが、小籔が煩いのでネットの破損していたところを見つけて右側に移動。するとこちら側には踏み跡らしきものが出来ており、ずっと楽に歩けるではないか。

6時58分に最初のチェックポイントである641.6ピークに着くが、折れたストックの破片が地面に刺さっているだけで三角点の標石は見当たらない。まあ、それは構わないのだが、このルートには急斜面の小さなアップダウンが頻出するため、なかなか歩行スピードを上げられないのが心配の種。両の手山(928.3m。8時11分)に着いたときには、早くも少々バテていた。

さて、めっきり積雪の増えてきた954ピーク(8時43分)の先には「日光連山ひとり山歩き」で報告されていた岩場の急降下が2カ所ほど出てくるが、最初の岩場は立木に掴まりながら慎重にクリア。2つ目の方は立木が少なくて途中からロープを出そうかと考えたが、地面から頭を出している岩を伝って何とか下りてくることが出来た。

その後も雪の積もったヤセ尾根を慎重に歩いて896ピーク(9時44分)〜847ピーク(9時59分)〜871ピーク(10時13分)とアップダウンを繰り返しながら進んでいく。中途半端なところに石の祠(10時19分)のある急斜面を喘ぎながら上っていくと、六郎地山から南に延びる尾根に乗り換える(10時24分)ことが出来、ここから先はこれを上っていくだけ。

傾斜は緩まり、道幅も広くなったということで、ようやく気楽に歩けるようになるのだが、今度はザックの肩紐が食い込むようになって痛みが止まらない。普段なら肩紐を緩め、腰に負担が掛かるように調整すれば良いのだが、今日は腹部の傷を刺激しないように腰のベルトを緩々にしているので、全ての荷重が両肩に掛かってしまうんだよね。

しかし、良く考えてみればこれから先はピストンの予定であり、全ての荷物を山頂まで運び上げる必要は無いということで、10時45分に着いた947ピークでスニーカーや軽アイゼン、予備の水分等を入れたレジ袋を目立ちそうな木の枝にデポして再出発。これが功を奏して両肩の痛みは治まり、11時20分に六郎地山(1097.2m)に着くことが出来た。

あたり一面真っ白な山頂では、唯一、雪から顔を出している三角点の標石に腰を下ろして大休止。ポットに入れてきた温かい紅茶といつもの菓子パンを囓りながらゆっくり休憩をと思ったが、予想したより往路に時間が掛かってしまったため、少々早めに切り上げて11時28分に下山に取り掛かる。

さて、947ピーク(11時49分)でデポした荷物を回収し、12時9分に2時間弱前に通過した分岐まで引き返してくる。今度はここを川中島方面に向かって下りていくのだが、伐採地(12時26分)を過ぎると次第に傾斜がキツくなり、立木を伝っての急降下の連続。しかも最後の最後で尾根は作業道によって分断されており、2mくらいの段差(13時1分)が出来ている。

まあ、地面は土なので飛び降りても大丈夫そうだが、ここでザックに入れてきたロープのことを思い出し、それを使って軟着陸に無事成功。山歩きでロープを使ったのはこれが初めての経験だったが、これくらいの段差なら自己流でも何とかなるもんだなあと感心しながら赤いグレーチング橋(13時4分)を渡り、13時7分に三ノ宿山林道に着く。

ここで山靴をスニーカーに履き替え、iPodを聴きながら舗装道路をテクテク歩いて14時40分に駐車スペースまで戻ってくる。最初の方が切れているが、GPSに記録されていた本日の歩行距離は20.3kmだった。

ということで、夕方からの診療所には余裕で間に合ったが、このところ楽な山ばかり歩いていたせいか、思ったよりも疲労感が残ってしまったのがちょっと気に掛かる。来春のアカヤシオの時期には今回歩けなかった周回コースの方も歩いてみたいので、この冬もせいぜい体力維持に努めたいと思います。