外秩父七峰縦走

今日は、埼玉県にある“外秩父七峰縦走ハイキングコース”を歩いてきた。

ここは東武鉄道が毎年4月頃に開催している「外秩父七峰縦走ハイキング大会」のコースに使われる場所であり、“ハイキング”とは言いながら、7つの里山を巡ってフルマラソンと同じ42.195kmを歩くというなかなかハードな内容。

過去の日帰り記録と比べてみると、距離ではこれまで最長だった黒岩山での32.3kmを大きく上回っているものの、ヤマレコに載っていたコースタイム(=12時間32分)は谷川岳馬蹄形縦走の14時間23分を下回っており、まあ、これなら何とかなるだろうと考えながら、午前5時過ぎにゴール地点のある寄居駅付近のコインパーキングに到着する。

ここから5時18分発の始発電車に乗って5時33分に小川町駅着。駅のトイレで久しぶりにCW-Xを身に付け、ちょっぴりアスリート気分になって5時44分に小川町駅を出発するが、すでに周囲は明るくなっており、大通りにはそれなりの交通量があるので何となく落ち着かない。5時49分に最初の“外秩父七峰縦走ハイキングコース”の案内板を右折して路地に入り、ほっと一息。

その先も随所に案内板が付けられているし、GPSには大量のWaypointを登録してきたので道迷いの心配は無用。しばらくは街中の舗装道路を歩いて行くが、不動の滝(6時28分)の前後からようやく山歩きらしい雰囲気になってくる。鎖場(6時40分)の先には巻き道も用意されているが、折角なので尾根筋を進み、石尊山(6時43分)を経て6時49分に官ノ倉山(344m)。ここがこのコースの第1峰になる。

山頂を越えて下山すると、ここから長〜い舗装道路歩き。やっと着いた和紙の里(7時27分)でトイレを拝借し、そこの裏山のようなところを上っていくと今度は舗装された林道歩きの始まりであり、正直、これがどのくらいのダメージになるのか予想も付かないが、耳元で鳴り続けるZEN Stoneの音楽に集中しながらダラダラと続く緩斜面をただただ上っていく。

萩平丁字路(8時36分)の前後からは一部林道を離れて山道を歩けるようになり、最後は明るい樹林帯の中を歩いてようやく第2峰の笠山に着く。ハイキングコースは“笠山837m”の標識の手前から下って行ってしまうが、GPSによるとこの山の最高地点は笠山神社(9時25分)の建っているところのようである。

さて、コースに復帰して再び林道まで下りてきたところで後ろから来たトレランの若者に追い越されるが、こっちはマイペースで歩き続けるしかないということで、パラグライダーの発着場(9時55分)を経て10時ちょうどに第3峰の堂平山(875.9m)着。天文台が設置された山頂はとても見晴らしが良いのだが、5、6人のオジサン集団に占領されていたため、ウイダーinゼリーを食べたくらいで先に進む(10時7分)。

第4峰の剣ヶ峰は舗装道路を外れてから2つ目のピーク(876m)であり、木製の階段を上って10時21分に到着。そこを下ったところが白石峠(10時29分)であり、その先にも似たような長い階段が出てくるが、全体的に地面から浮き上がってしまっているために歩き辛いったらありゃしない。

しかし、その階段の先からは舗装道路ではない快適で緩やかなアップダウンが続いており、なかなか良い気分で定峰峠(11時6分)に着く。ここまでコースタイムを2時間近く上回っており、足腰にも特に異常は認められないため、自宅に“余裕で完歩できそう”とメールを入れて再び歩き出す。

第5峰の大霧山(766.6m)までの区間もとても良い雰囲気であり、有刺鉄線の張られた放牧地の脇を歩いて12時7分に山頂にたどり着く。そこからの景色も素晴らしいのだが、山頂は大勢のハイキング客たちの喧噪に包まれており、場違い感の強い俺は2袋目のウイダーinゼリーを平らげただけでそそくさと席を立つ。

次の粥仁田峠(12時27分)からは再び長〜い舗装道路歩きが始まり、秩父高原牧場(12時43分)を通過してもまだ終わらない。二本木峠(13時7分)の先でようやく舗装道路を離れる(13時12分)ことが出来、13時24分に第6峰の皇鈴山(679m)。地形図には載っていない山であるが、山頂には立派な標識や東屋が建っていた。

行く手に見える最後の登谷山(668m)まではまだ距離がありそうであり、さすがに疲れてきたということでちょっぴり憂鬱になるが、幸い傾斜は緩やかで13時42分に着く。記念すべき第7峰目であり、山頂からは市街地の様子が良く見えるが、山名板はお手製のものが木の幹に一枚掛かっているだけであり、この点は東武鉄道の財力で何とか改善して頂きたい。

さて、山頂で自宅に七峰制覇のメールをしてから13時46分に歩き出すが、間もなく最後の舗装道路歩きが始まり、本当のミッション完了はまだまだ先の話し。釜伏峠(14時00分)を過ぎてからも薄暗い林道歩きは終わらず、再び憂鬱になってくるが、山の東側まで来ると一気に雰囲気が明るくなってテンションも急速に回復してくる。

今日もこんなときのためにiPodを用意しておいたのだが、目に入る周囲の花々を愛でながら歩いていればそれが無くても結構飽きずに歩き続けられる。市街地に入り、踏切の手前でメインストリートを離れるとハイキング大会のゴールとなる鉢形城公園であり、大勢のカメラマンに混じって満開の桜の大木(15時29分)の写真をカメラに収める。

その先の橋を渡ると本日のゴールとなる寄居駅はもうすぐであり、15時44分に到着。登谷山からは時刻を気にしないで歩いてきたので全くの偶然であるが、スタート地点の小川町駅からの所要時間は10時間ピッタリであり、う〜ん、気づいていればラストスパートをして10時間を切れたのになあ。

ということで、それ以上にショックだったのは、帰宅後、GPSで確認した小川町駅から寄居駅までの歩行距離が41.969kmとフルマラソンに比べて226m足りなかったこと。実際は駅から駐車場まで歩いているのでフルマラソンの距離は超えていると思うのだが、記録に残せなかったのはとても残念であり、まあ、10年後くらいにリベンジする(?)ときのことを考えて、いくつか注意点を書き残しておこうと思います。

1 飲料水2リットルとウイダーinゼリー2袋を持参し、後者は完食したが水は1.3リットルくらいで済んでしまった。秩父高原牧場の売店は未確認だが、定峰峠を過ぎると寄居町の街中まで自販機は見当たらないため、途中で水分を補給しようとするときには注意が必要である。

2 先日、予行演習として歩いたハナント山では舗装道路歩きによるダメージが懸念されたため、今回は「Protect J1」という長時間持続型の皮膚保護クリームを使用。スタート時と定峰峠で休憩したときに足の裏や踵の部分に塗ってみたが、結果的に靴擦れ等は起きなかったので一定の効果はあったのかもしれない。

3 このコースにはいくつか分岐が存在し、どちらを歩いても良いようになっている。今回は、例によって出来るだけ巻き道を使わないように配慮したが、それが距離不足の原因かもしれず、特に萩平丁字路の先の分岐は手書きの“第2コース”を選択した方が距離を稼げたのかもしれない。

4 実際のハイキング大会ではストック類は使用禁止らしく、それを尊重して愛用のシングルストックは封印。一応、万が一のときの松葉杖代わりにザックには入れておいたのだが、幸い最後まで使用する機会は無かった。