SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁

今日は、妻と一緒に「SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」を見てきた。

BBC製作のTVドラマ「SHERLOCK」は我が家でも大人気。現時点の最新作であるシーズン3までは鑑賞済みであり、既に製作が決定しているシーズン4を拝見できる日を首を長くしてお待ちしている状態なのだが、そんなところへ転がり込んできたのが“劇場版”公開の話であり、取るもの取りあえずに映画館へ向かう。

で、いきなりのネタバレになってしまうのだが、この“劇場版”なるもの、どこからどう見ても“TVドラマ”であり、予算的にも映像的にも映画的なスケールは微塵も感じられない。ゴシック・ホラー的な要素や1895年と現代とを行ったり来たりするシナリオは“特番”としては十分面白いのだが、所詮、TVシリーズに従属した内容であり、これまでのストーリーを知らない人には(特に終盤の展開は)全く理解出来なかっただろう。

帰宅後に調べたところによると、英米で今年の1月1日にTV放映されたもののようであり、こういう作品を“劇場版”と銘打って堂々と上映してしまう我が国の配給会社のモラル意識は、正直、とても恥ずかしい。今になって思えば、入口で配っていたポストカードや本編終了後の特典映像(?)はせめてもの“罪滅ぼし”だったのかもしれないが、ここはハッキリ“馬鹿にするな”と言っておきたい。

ということで、TVシリーズの特番として見ればなかなか良く出来た作品であり、最初からその旨を告知し、(出来れば)一律千円くらいの料金で見せてくれれば何の不満もなかったのになあ。特に、TVにもかかわらず、ホームズの薬物中毒をわりと普通のこととして描いているところがとても興味深く、相次ぐ閣僚の放言よりも元野球選手の覚醒剤事件の方を大きく取り上げてしまう我が国のマスコミとのレベルの差を痛感しました。