リトルプリンス 星の王子さまと私

今日は、妻と一緒に「リトルプリンス 星の王子さまと私」を見に行ってきた。

例によってサン=テグジュペリの「星の王子さま」はまともに読んだことは無く、まあ、普通ならわざわざ映画館へ足を運ぼうとするような作品ではないのだが、予告編で拝見した本作のストップモーション・アニメのクオリティの高さにちょっぴり感動してしまい、妻を誘って映画館へ。

さて、本作では、我々のような不勉強な観客にも理解しやすいよう、あらかじめ「星の王子さま」の中の重要なエピソードをいくつか紹介してくれるのだが、そのときに使用されるのがストップモーション・アニメであり、作品の中の“現在”を描くために使われるCGアニメとは厳格に区別されている。

しかも、そこで使用されている素材は和紙のような質感を持った紙だけであり、ツルツルした光沢感のあるCGアニメとはまさに好対照。その柔らかでちょっとレトロ感のある表現方法は、古典的な童話作品の世界を描くのにうってつけであり、そのまま「星の王子さま」の全編を見続けていたいと思うくらいの素晴らしさだった。

一方、CGアニメの方のストーリーもなかなか良心的であり、最後の主人公の大冒険が夢の中の出来事であることを観客にあらかじめ示唆している点も好印象。「星の王子さま」の熱烈なファンの方がどう思うかは知らないが、その後日譚の一つとして、まあ、アリなんじゃなかろうかと思った。

ということで、最近の流行どおり字幕版での上映が無かったため、日本語吹替え版での鑑賞になってしまったのだが、個性的というか、ちょっぴりアクの強い声の持ち主を声優に起用するのは是非とも止めて欲しいなあ。松任谷由実の野太い歌声も、本作の繊細な雰囲気にはそぐわなかったような気がします。