シンデレラ

今日は、妻と一緒に「シンデレラ」を見に行ってきた。

この作品のニュースを聞いたとき、真っ先に心に浮かんだことが二つあって、その一つは“いつか王子様が…的なストーリーって、今どき世間に受け入れられるの”っていう心配であり、もう一つは“高畑勲の失敗作「かぐや姫の物語(2013年)」の二の舞になるのでは”という不安。監督が最近絶不調(?)のケネス・ブラナーというのもさらなる不安材料であり、ほとんど失敗を覚悟したような気分で映画館へ。

さて、可もなく不可もなく的な出来の「アナと雪の女王/エルサのサプライズ」に続き、いよいよ装いも新たにシンデレラの物語が始まるのだが、まず、その映像の美しさに驚かされる。ストーリーはオリジナル(?)のアニメ映画にほぼ忠実であり、主人公の幼少期等、アニメ版には描かれなかったエピソードが付け加えられているものの、基本的な設定を損なうようなことは一切ない。

そして、フェアリー・ゴッドマザーが登場してから彼女のかけた魔法がとけるまでの数十分間が本作のクライマックスであり、CGや流れるようなカメラワークを駆使した美しい映像はまるで本物の魔法を見ているみたい。自分の年齢や性別を忘れて、思わずスクリーンに見入ってしまった。

まあ、一番目の心配に関しては、アメリカ本国における評価を知らないので何とも言えないが、脚本的には“勇気と優しさ”を前面に押し出すことにより、主人公の積極的な姿勢を強調することにある程度成功していたような気もする。妻も言っていたが、主演のリリー・ジェームスがストーリーの進展につれてどんどん美人になっていくのがとても面白かった。

ということで、二番目の不安に関しては全くの杞憂であり、ストーリーを知っていても十分に楽しめる作品だった。ちょっと考えてみれば名人の語る古典落語は何度聞いても面白い訳であり、「かぐや姫の物語」が面白くなかった理由は別のところにあるのだと思います。