アナと雪の女王2

今日は、妻&娘と一緒に大ヒットしたディズニーアニメ映画の続編「アナと雪の女王2」を見てきた。

前作はイディナ・メンゼルの歌声が聴きたくて字幕版の方を鑑賞したのだが、その後、妻や娘に促されて聴いてみた松たか子&神田沙也加コンビの歌声も素晴らしいということで、今回はおとなしく吹替え版で鑑賞。2匹目のドジョウ狙いの企画ではあるが、全米での興行成績は上々だったらしく、期待に胸を膨らませて映画館へ。

さて、ストーリーは前作から3年後の出来事が描かれており、アレンデール王国の女王として平穏な暮らしを送っていたエルサが、自分を呼んでいる不思議な歌声を耳にするというのが物語の発端。結局、アナやクリストフ、スヴェンそしてオラフといういつものメンバーと一緒に、昔、亡くなった両親から聞いたことのある“魔法の森”に向けて旅立つことになるのだが、そこで彼女らは両親や祖父に関係する悲しい過去を知ることになる…

まあ、ネタをバラしてしまうと、エルサやアナの祖父である今は亡きルナード国王が諸悪の根源であり、そんな彼が魔法の森に住むノーサルドラの民への贈物として築いたダムがとんだ食わせ物。彼の狙いは、ノーサルドラを征服するためにダムによって魔法の森の力を弱めることにあったのだが、そのせいで自然界のバランスが崩れてしまい、様々な災厄がアレンデールやノーサルドラの人々を苦しめるようになったという次第。

そんな自然界を代表しているのが風・火・水・大地の4つの精霊であり、アナの協力によってダムを破壊し、自然界と人間との調和を取り戻すことに成功したエルサが5番目の精霊へと生まれ変わって、無事ハッピーエンドを迎える。一見すると単純ではあるが、そこには先住民の権利や尊厳の回復、反歴史修正主義、脱ダム宣言(?)といった重要なメッセージが込められており、決して2匹目のドジョウを狙っただけの志の低い作品にはなっていない。

また、ミュージカル映画らしい演出が強化されている点も嬉しいところであり、それぞれの“心の成長”をテーマにしたクリストフの「Lost in the Wood」やアナの「The Next Right Thing」はとても印象的なシーンになっている。エルサの「Into the Unknown」はダイナミックな展開が魅力の曲であり、松たか子も悪くなかったが、せめてエンディングくらいはイディナ・メンゼルで聴いてみたかった。

ということで、見る前は“使命を果たしたエルサが魔法の力を失って普通の人間に戻る”という無難な(?)結末を予想していたのだが、実際は正にそれとは真逆のエンディングであり、神的存在となったエルサの孤独な日々はまだまだ続く。これを彼女の幸福と解するか否かは難しい問題だが、少なくともさらなる続編への布石にはなりやすいと思います。