イディナ・メンゼル 日本武道館コンサート

今日は、日本武道館で行われたイディナ・メンゼルのコンサートに家族で行ってきた。

昨年大ヒットした「アナと雪の女王(2013年)」の挿入歌“Let It Go”で有名なイディナ・メンゼルであるが、我が家ではTVドラマ「glee」のヒロインであるレイチェルの母親役としても大人気であり、娘は「Wicked」のサントラCDも愛聴しているらしい。コンサートが平日ということで、ちょっと躊躇している間にチケットを申し込むのが遅れてしまい、あまり良い席は確保できなかったが、まあ、しょうがない。

さて、俺と妻はちょっと早めに出掛けたので、Bunkamuraで開催中の「ボッティチェリルネサンスフィレンツェの富と美−」をまず見学。正直、コレっていう作品は展示されておらず、2枚の“受胎告知”もウフィツィ美術館で“ヴィーナスの誕生”と同じ部屋にあったものとは別の作品だった。

しかし、彼とは切っても切れない関係のメディチ家に関する資料等が充実しており、銀行業と高利貸しとの違いを知ることが出来たのは大きな収穫であり、また、初期の聖母子像に描かれているマリアの顔つきが師であるフィリッポ・リッピの影響でかなり幼く見えるところが面白かった。

さて、「アイボリッシュ渋谷店」というところで人気のパンケーキ(=味は悪くないが、店内の喧騒には閉口!)を食べてから日本武道館へ移動。娘とはここで落ち合う予定だったが、“6時半過ぎには着けそう”という途中報告を最後になかなか姿を現さない。結局、到着したときには開演予定時刻の午後7時を少しオーバーしていたが、開演が遅れていたのでぎりぎりセーフ。

娘が到着して間もなくコンサートが始まったが、オープニング曲は娘が一番聴きたいと言っていた「Wicked」の“Defying Gravity”。事前学習が不足していたため、その後、知らない曲が数曲続くが、親しみやすいメロディの曲が多いので初めて聴いても十分に楽しめる。

“私の尊敬する女性歌手の曲”という紹介で始まるJoni Mitchellの“River”からCole Porterの名曲“Love for Sale”(=Policeの“Roxanne”とのマッシュアップ)、そして“There’s No Business Like Show Business〜Anything Goes〜Everything’s Coming Up Roses”のスタンダード・メドレーへと続く中盤が個人的には一番嬉しかったが、本日のヤマ場はその数曲後から。

彼女のもう一つの代表作である「Rent」の“Take Me or Leave Me”(=曲名は後で知った。)を一通り歌い終えると、突然観客席に下りてきて、高校生くらいの女の子にマイクを渡してサビの部分を歌わせたのだが、これがなかなかの熱唱で観客席からはやんやの喝采。それをあと二回繰り返した後、今度は男女のカップルをステージ上に引っ張り上げたのだが、これも予想を上回る大熱唱で会場の熱気は最高潮へ。いやあ、今の若い人は度胸があるんだなあ。

最後にお待ちかねの“Let It Go”を一部日本語の歌詞を織り交ぜながら披露した後は、客席にいたらしい神田紗也加からの花束贈呈を経て、アンコールを2曲。新曲(?)の“Child”と「Annie」の“Tomorrow”で楽しかったコンサートは幕を閉じる。正直、期待していた以上の出来であり、次の機会があればCD等で彼女のレパートリーをもっと勉強してから会場に向かいたいと思った。

ということで、実は、今夏に予定していたニューヨーク旅行は俺の仕事の都合でボツになってしまったのだが、その無念さの何分の一かを取り返せたみたいでとても良い気分。彼女も出演している映画版の「Rent(2005年)」にはあまり良い印象は残っていないが、今度、妻と一緒に見直してみようと思います。