アニー

1982年作品
監督 ジョン・ヒューストン 出演 アイリーン・クイン、アルバート・フィニー
(あらすじ)
大恐慌時代のニューヨーク。孤児院で育った赤毛の女の子アニー(アイリーン・クイン)は、意地悪な院長ミス・ハニガンの厳しい指導(?)にもかかわらず、自分を捨てた両親がいつか迎えに来てくれることを信じて元気に暮らしていた。そんなある日、大富豪ウォーバックス(アルバート・フィニー)の秘書グレースが孤児院を訪れ、彼のイメージアップ写真用のモデルとしてアニーを屋敷に招待する….


有名なブロードウェイ・ミュージカルをジョン・ヒューストンの監督で映画化した作品。

本作の存在を知ったのは、先日、クゥヴェンジャネ・ウォレス主演の「ANNIE/アニー(2014年)」を鑑賞したのがきっかけなのだが、良く考えてみれば、この作品が公開された当時もそれなりの頻度で映画館に足を運んでいたはずであり、おそらくその頃の俺の好みに合わなかっただけのことなのだろう。

さて、「ANNIE/アニー」とは異なり、主人公となるのは昔からのイメージどおりの赤毛の女の子なのだが、それ以上に違っていたのは作品の製作規模。おそらくこっちの方が登場人物の数は10倍くらい多いだろうし、セットの豪華さも比べものにならないということで、大物のジョン・ヒューストンを監督に起用したのも決して伊達ではなかったんだなあ。

脇を固める俳優陣も実力者を揃えており、ミス・ハニガン役のキャロル・バーネットやそのやくざな弟を演じるティム・カーリー等、懐かしいところが顔を見せてくれる。また、ミュージカル作品としても本格的であり、特にグレース役のバーナデット・ピータースの歌とダンスは圧巻の出来であった。

まあ、そのついでという訳では無いのだろうが、アニーが暮らしている孤児院の規模も相当大きくなっており、収容されている子どもの数もやはり10倍くらいになっているのではなかろうか。そのあまりの喧しさには、正直、ミス・ハニガンがちょっぴり気の毒に思えてしまうくらいだった。

ということで、アニーを攫っていった悪者をウォーバックスが追いかけるというラストの展開は両者とも同じなのだが、意外だったのはその追跡劇にヘリコプターが絡むところまで一緒だったところ。オリジナルの舞台にヘリコプターを使用するとは考え難いので、おそらく「ANNIE/アニー」はこの作品の演出を踏襲したのだろうと思います。