17歳の肖像

2009年作品
監督 ロネ・シェルフィグ 出演 キャリー・マリガンピーター・サースガード
(あらすじ)
ロンドン郊外に住んでいる女子校生のジェニー(キャリー・マリガン)は、オックスフォード大学への入学を目指している優等生。しかし、彼女の父親が娘を一流大学に入れたがっている理由は、“そこなら将来有望な男性とお近づきになれるから”というものであり、文学や芸術自体には全く関心を示さない。そんなとき、ジェニーの前にデイヴィッド(ピーター・サースガード)という知的な紳士が現れ….


インサイド・ルーウィン・デイヴィス(2013年)」を見て一目惚れ(?)してしまったキャリー・マリガン出世作

彼女の演じる16歳のジェニー(=ストーリーの途中で17歳の誕生日を迎える。)が、年上の男性デイヴィッドとの交際を通して知った“大人の世界”に夢中になってしまうという内容の青春映画であり、最初は俺のようなオヤジの見るべき作品では無かったかとちょっぴり後悔してしまったのだが、見続けているうちにだんだん面白くなっていく。

「An Education」という原題からも分かるとおり、本作のテーマになっているのは(主に女性にとっての)「教育」。舞台になっているのが1960年代初頭ということもあり、中流階級の子女にとって教育は玉の輿に乗るための手段にすぎないという考えは決して特殊なものではなかったのだろう。

そんなところへ金回りの良さそうな紳士が現れたものだから、ジェニーだけでなく彼女の両親も大喜び。大学に入れる手間が省けたとばかり娘とデイヴィッドとの婚約を許してしまうのだが、当然、話はそのままでは終わらずにちょっぴりホロ苦い展開へ。しかし、親バカの両親はともかく、ジェニーから教育の意義を問われた校長までもが“教師か公務員になれる”としか答えられなかったのはあんまりだと思う。

主演のキャリー・マリガンは初々しいというよりまだ幼く、大人の女性のマネをして髪をアップにするところなんかは見ていて痛々しい感じがしてしまったのだが、鑑賞後、彼女の本作公開当時の年齢が24歳だったということを知って吃驚仰天。童顔の女優さんだとは思っていたが、まさか7、8歳もサバを読むとは思わなかったなあ。

ということで、デイヴィッドのパートナーの恋人というあまり大きくない役でロザムンド・パイクが出ているのだが、頭はカラッポなのに女の魅力だけで世間を渡っていこうとするそのキャラは正に絶品。可愛らしさの向こうに透けて見える爬虫類のような狡猾さは、やっぱり「ゴーン・ガール(2014年)」のヒロインにピッタリだと思いました。