セッション

今日は、妻と一緒に「セッション」を見に行ってきた。

本作に出演しているJ.K.シモンズがアカデミー賞助演男優賞に輝いた作品であり、一時期熱心に聴いていたジャズの世界が描かれているということで、是非とも見てみたかった作品。例によって本邦初公開からは少々遅れてしまったが、ようやく近くのシネコンでも上映してくれることになり、期待に胸を膨らませて映画館へ向かう。

さて、ストーリーは、「フルメタル・ジャケット(1987年)」(の前半)のジャズ版的な内容であり、プロのジャズ・ドラマーになることを夢見て一流の音楽学校に入学した主人公のネイマン君が、そこで出会った凶暴なまでに厳格な音楽教師テレンス・フレッチャー(J.K.シモンズ)に徹底的にシゴかれるというもの。

まあ、こういった体育会系のマッチョな教育理念は個人的には大の苦手であり、自分の子どもがこのような教師に出会ったらさっさと転校を勧めるところであるが、本作のネイマン君は有名になるためなら可愛い恋人も簡単に捨ててしまうエゴイストとして描かれており、彼がフレッチャーを相手に繰り広げる過酷なバトルをある程度距離を置いて眺めていられるように配慮されている。

そして、ラストでどん底に突き落とされた主人公を間一髪のところでハッピーエンド(=まあ、ちょっと歪んではいるが…)へと導く手際の良さはまさに最高! それまで細切れにしか聴かせてもらえなかったビッグバンド・ジャズをようやく丸ごと一曲聴かせてもらえるという嬉しさも相まって、最近見た作品の中では最も興奮に満ちたエンディングになった。

ということで、本作の影響で久しぶりに本格的なビッグバンド・ジャズを聴きたくなってしまったのだが、その迫力を体で感じるためにはiPodでは全くの力不足。やはり生のライブが一番なのだろうが、俺の住む地方都市ではなかなかそのような機会に恵まれないのが残念です。