今日は、埼玉、山梨、長野の三県の県境に位置する甲武信ヶ岳を歩いてきた。
本日の長野方面の天気予報は快晴であり、日帰り遠征にはうってつけの日なのだが、夜には、一昨日から京都・滋賀旅行に出掛けている妻をJR駅まで迎えに行くという任務が控えているため、帰宅時刻があまり遅くなるのはNG。そこで、6〜7時間くらいで歩いてこられるという条件で選んだのがこの山であり、午前5時半頃に登山口のある毛木平駐車場に到着する。
駐車場は7割くらい埋まっていたが、フロントガラスが白く凍っている車が多く、車中泊を含め、一泊二日の日程で訪れる登山者が多いのかもしれないなあ。そんなことを考えながら準備をしていると次第に周囲が明るくなってきたので、5時48分に駐車場をスタートする。
地形図に記載された駐車場のすぐそばにある分岐は通行止めになっており、その一つ先の分岐(5時55分)を左手の十文字峠方面へ進む。事前学習によると、本日のコースは反時計回りに歩く人が多いようだが、それだと後半に負担を残すことになってしまうため、時計回りに歩いて先に大変な方を消化してしまおうというのが俺の魂胆。
分岐のすぐ先にある立派な橋(5時57分)を渡ると何度か渡渉も出てくるが、水量は少ないので問題なし。平坦だった道は右手に滝が見える水場(6時9分)のあたりから緩やかな上りに転じ、2か所目の水場(6時30分)の先からはさらに傾斜を増していく。しかし、それも長くは続かず、尾根(6時44分)に出ると再びルートは平坦になり、十文字峠分岐(7時00分)を過ぎて7時2分に十文字小屋着。
せっかくなので小屋の前のベンチで一休みした後、再出発。緩やかな上りをしばらく続けると、本日初めての鎖場(7時28分)が登場し、これを上り切ったところが大山の山頂(2225m。7時33分)。ここでようやく見晴らしが広がるが、ルートはその後も樹林帯の中を進み、武信白岩山頂分岐(8時00分)〜尻岩(8時21分)と歩いて着いた三宝山の山頂(2483.5m。8時56分)も木立の中。妻にメールしようとしたがスマホも不通だった。
小休止の後、先に進むとようやく木々の間から甲武信ヶ岳が姿を現し、最後の急斜面を上って9時25分に山頂(2475m)到着。快晴に恵まれたおかげでここからの見晴らしは素晴らしく、一段と端正なお姿の富士山をはじめ、八ヶ岳の向こうには槍穂まで見て取れる。近くにいた人の話によると、彼方で白い噴煙を上げているのが御嶽山だそうであり、北から南まで日本アルプスの山々を一望できるらしい。
さて、妻へのメールも済ませたので9時54分に下山に取り掛かり、ガレた斜面を落石に注意しながら下りていく。間もなく樹林帯に入ってしまい、再び見晴らしは無くなってしまうが、国師ヶ岳分岐(10時7分)の先に建つ千曲川信濃川水源地標(10時16分)が本日二番目のお目当てであり、湧き水を空いたペットボトルに詰めて自宅へのささやかなお土産にした。
ここから先のルートは渓流沿いに付けられており、予想したとおりほぼ平坦な道のり。これから山頂を目指す多くの登山者とのすれ違いがちょっぴり面倒だが、まあ、休憩する代わりだと考えれば笑顔で道を譲るのも難しく無い。ナメ滝(11時3分)〜大山祇神社(11時47分)と歩いて、12時3分に毛木平の駐車場まで戻ってくると、今日の総歩行距離は16.1kmだった。
ということで、予定どおり休日の渋滞が始まる前に帰宅できたため、妻のお迎えも無事済ませることが出来たのだが、唯一“想定外”だったのは毛木平から車で帰るときに見た里山の紅葉の素晴らしさ。杉や檜の植林がされていないこともあって、カラマツ林の黄色をベースにしたカラフルな彩色は実に見事であり、この中を縦走できたら凄いだろうなあと考えながら車窓の絶景を楽しんでいました。