クロニクル

今日は、妻と一緒に「クロニクル」を見に行ってきた。

本国アメリカでは昨年中に公開された作品であり、“首都圏限定公開”ということでようやく我が国でも公開される運びになった訳であるが、何と、この“首都圏”には文化果つるところである我等が宇都宮市も入っていることが判明し、妻と約束していた「そして父になる(2013年)」を後回しにして喜び勇んで映画館へ。

最近(?)、主にホラー映画関係で流行っているらしい“ファウンド・フッテージ”という手法を採用しているのだが、男子高校生3人組による無軌道で頼りない青春の日々を描写するのにこの手法はピッタリであり、偶然、超能力を身に付けてしまった彼等が破滅への道をたどる過程が様々な映像のパッチワークで描かれている。

正直、中身は幼稚で痛々しいエピソードのオンパレードであり、俺のようなオヤジが見る映画ではなかったのかもしれないが、明確な“敵”が出現しないため、自らの超能力を持て余して自滅してしまうというストーリーはとても新鮮で興味深く、期待していたような爽快感は得られなかったものの、大きな不満は感じなかった。

映像的にも、登場する超能力をテレキネシスに限定したことが功を奏しており、大友克洋の「童夢」を実写化したようなラストの戦闘シーンはなかなかリアルに描かれている。もう少し予算があったら、あのちょっと不自然な飛行シーンももっと格好良くなっていたと思うのだが、まあ、この初々しいストーリーにはあの不恰好さが似合っていたのかもしれない。

ということで、三人組の中でただ一人生き残ったマットが、彼等が超能力を授かった秘密を探るというストーリーで、是非とも続編をお願いしたい。勿論、そこには明確な敵が存在する訳であり、彼等の手によって生き延びたアンドリューとマットが再び相まみえるというベタな展開を妄想していると、今のうちから興奮してしまいそうです。