2010年作品
監督 フローリア・シジスモンディ 出演 クリステン・スチュワート、ダコタ・ファニング
(あらすじ)
1975年のロサンゼルス。ロックが大好きな女の子ジョーン・ジェット(クリステン・スチュワート)は、敏腕プロデューサーのキム・フォーリーにガールズ・バンドの夢を打ち明ける。そのアイデアに興味を持った彼は、早速、彼女をリーダーにした“ランナウェイズ”の結成に取り掛かるが、そんな彼がグループの顔としてスカウトしたのがリード・ヴォーカルのシェリー・カーリー(ダコタ・ファニング)だった….
1970年代後半に活躍したガールズ・ロック・バンド“ランナウェイズ”の伝記映画。
俺がランナウェイズというバンドの存在を知ったのは、彼女らが来日した1977年のことであり、2、3度、当時のTV番組に出演しているのを見た覚えがある。しかし、もっぱら話題になっていたのはその過激なステージ・コスチュームの方であり、まあ、正直言って、最初から完全なイロモノ扱いだった。
確かに数自体はそう多くなかったものの、ジャニス・ジョプリンやグレース・スリックといった大物が女性ロック・アーティストとして既に十分な実績を残していたし、本作でも歌声を聴くことができるスージー・クアトロが当時それなりの人気を博していたということもあって、女性ロック・バンドというだけでは話題を集められなかったのだろう。
まあ、ストーリーの方は、そんな彼女らのバンド結成からシェリーの脱退に至るまでの経緯が描かれているのだが、特に印象に残るようなエピソードが登場する訳でもなく、正直、メリハリに欠ける。また、彼女らの“音楽を演奏する喜び”みたいなものが見ている方に全く伝わってこない点も大きな問題であり、本来、こういったジャンルが得意な筈のハリウッド映画にしては、ちょっと珍しいくらいダメだった。
主演のダコタ・ファニングは公開当時16歳ということで、“天才子役”からの脱皮を目指し、酒やタバコにドラッグ、ベッドシーンと体当たりの演技を披露してくれるのだが、このレベルの作品では彼女のそんな頑張りもカラ回り気味。まあ、まだ十分に若いんだから、そんなに焦らずに地道に頑張って欲しい。
ということで、本作を見て一番驚いたのは、来日当時、ランナウェイズのメンバーがまだ未成年だったという事実。あの過激なコスチュームを売り物にする都合上、マスコミもこの点をあまり強調したくなかったのかもしれないが、改めて調べてみたらジョーンもシャーリーも俺より年下でした。