SUPER 8/スーパーエイト

2011年作品
監督 J.J.エイブラムス 出演 ジョエル・コートニー、エル・ファニング
(あらすじ)
突然の事故により最大の理解者であった母親を失ってしまったジョー少年(ジョエル・コートニー)。ある夜、父親に内緒で家を抜け出した彼は、友人のチャールズやアリス(エル・ファニング)等と一緒に無人の駅舎で8ミリ映画の撮影をしていたが、その最中に大規模な列車の脱線事故に遭遇する。その事故を引き起こしたのは彼等の通う学校の教師だったのだが、それを契機に町中で不思議な出来事が頻発するように….


スティーヴン・スピルバーグが製作者の一人として参加したSF映画

少年少女の集団が強大な“敵”と遭遇するという予備知識から、「グーニーズ(1985年)」やスティーブン・キングのホラー小説「It」のようなストーリーを予想していたのだが、内容的には「E.T.(1982年)」に最も近い。題名も、別に8人の少年少女が活躍するからという訳ではなく、コダック社が開発した8ミリフィルムの規格に由来するものらしい。

まあ、これは一緒に見ていた妻も同意見なのだが、深夜の脱線事故のところまではなかなか快調な出足であり、そこで提示された“謎”がその後どのように進展していくのか興味津々。しかし、残念なことにその謎は意外なほど底の浅いものであり、それからはヒネリもミスリードも無いままにアッという間に感動の(?)ラストシーンを迎えてしまうっていう感じかなあ。

少年少女の活躍シーンの描写も極めて限定的であり、クライマックスシーンにおけるジョー君の見せ場の印象もかなり微妙なところ。第一、あれだけ観客に期待を持たせておいたケアリー君の“火薬”が最後まで不発のまんまというのはちょっと酷いと思う。ただ、エンドロールで彼等が撮影していた8ミリ映画を見せてくれたのはとても良いアイデアだったと思う。

まあ、1979年という時代設定のおかげで、The Knackのヒット曲「My Sharona」やソニーウォークマン等々、個人的に懐かしさを感じたシーンも少なくないのだが、おそらく今の若者たちにとってはさほどの感慨は無かったのではないだろうか。

ということで、後から知ったことであるが、本作のヒロイン役で出演しているエル・ファニングは、あの(元)名子役であるダコタ・ファニングの実の妹とのこと。お姉さんとは4歳違いになるのだが、そのちょっとふてぶてしい存在感はジョディ・フォスターの子役時代を髣髴させるものがあり、案外、将来大バケするかもしれません。